江戸崎に新工場 県企業局と用地契約を締結(SHOEI)
[2022/1/26 茨城版]
県企業局(澤田勝局長)とヘルメット製造販売企業のSHOEI(東京都台東区、石田健一郎代表取締役社長)は24日、県庁で土地売買契約を調印した。SHOEIでは、江戸崎工業団地の第5号画地(約7万6000平方m、稲敷市江戸崎みらい6-1)を取得し、オートバイ用のプレミアムヘルメット工場を増設する考え。今後、県企業局では23年7月ごろの引き渡しを目指して造成工事を進め、SHOEIでは需要動向を見極めながら整備内容を決定していく考えだ。
今回企業局が分譲したのは、江戸崎工業団地最後の分譲地となる第5号画地で、分譲面積は隣接する緑地や法面を含めた約7.6haとなる。当該地の東側隣接地には、同社の既存工場である茨城工場が立地している。
契約書の調印後、あいさつした澤田局長は、工業団地内で最後に残っていた当該地について、高低差があるなど土砂の処分が課題だったことなどを挙げながら、地形を極力生かしながらの造成工事になることを説明。SHOEIについては、「利用者のニーズに特化し、安全性を第一にした製品開発で世界ナンバーワンのシェアを誇っている」などと紹介し、来年7月の引き渡しに向けて、しっかりと対応していく意向を示した。
石田社長は、約50年前に当時の江戸崎町に工場を建設したことや、同社のオートバイ用ヘルメットの世界シェアが約6割に上ることなどを紹介した上で、新型コロナウイルスの影響もあって世界的にオートバイ需要が拡大している状況を説明。同社のプレミアムヘルメットについては、注文後1年待ちという状況にあるなど、現在の茨城工場だけでは対応しきれない問題に直面していた。こうした状況下での当該地への提案には「渡りに船だった」と述べ、企業局に謝意を表した。
続けて、100%メイドインジャパンであり、原材料も日本製を使っているとして、これらが工場や雇用、原材料の増加など、「地域への波及効果も大きい」と述べて、「地元に貢献し、県民からもSHOEIがあって良かったと思えるように研さんしていきたい」などと決意を語った。
石田社長によると、新工場の整備形態については、コロナ後の需要を見極めながら進めていくとしながらも、「現工場の拡大が一番望ましい」として、新しい敷地には倉庫や管理部門を設置する見通しを示した。一方で、さらに需要が拡大すれば新たに工場を整備する可能性もあるとした。
茨城工場では、数年前まで月産約780個ほどだったとするが、現在は中国などの需要増加により1250個ほどに増えているとし、今回の増設により1500-1600個ほどに拡大したい意向だ。これにより、岩手工場(岩手県一関市)と規模を合わせ、どちらでも同じ量を生産できるようにする考え。
企業局によると、2月にも造成工事の入札手続きに着手する意向で、3月には着工する計画。工事は23年6月ごろの完了を予定し、7月にも引き渡しを行うとしている。