建築工事は23年度 複合施設 本年度内に基本設計策定(かすみがうら市)
[2022/1/25 茨城版]
かすみがうら市は18日、神立駅周辺で進めている複合交流拠点施設整備に関する住民説明会を開催した。説明会では、交流拠点整備の経緯や整備方針、市民へのアンケート結果、事業スケジュールについて紹介。それによると、複合施設は図書・学習機能やコミュニティ機能、窓口機能を有した施設として整備する。また、敷地内には駐車場と防災機能を有した公園を整備していくことを示した。基本設計は本年度内にも策定し、22年度に用地取得と実施設計を行う。建築工事は23年度からの着工となり、24年度の供用開始を目指す。
この施設整備は、窓口機能の移転とサービス拡充、都市計画道路神立停車場線沿線区域へのコミュニティ機能の新設という理由のほか、同市の都市公園保有面積が県内の平均値を大きく下回ることを受けて実施する。
さらに昨年度に開通した神立停車場線の付近に、公共施設が存在せず、避難場所や防災倉庫などの防災拠点が少なくいことが指摘され、有事を想定した際のハブ拠点が求められている。
また、昨年度に実施した中心市街地土地利用基本構想策定調査業務では、交流拠点を整備する際、学生が利用できる学習スペースや子どもが安心して遊ぶことができる公園を複合した施設に対してニーズが高いことが判明した。
そこで市はこれらの市民ニーズを満たす交流拠点と公園を整備することを決定した。昨年8月にはパシフィックコンサルタンツ茨城事務所(水戸市)と基本設計の業務委託契約を締結。その後、ワークショップなどを行い、地域住民の意向把握に努め、このほど住民説明会を開催することになった。
建設場所は稲吉南2丁目の一部の敷地約2万8300平方m。敷地北側は神立停車場線に接道し、神立駅からは約660mの距離の立地となる。敷地全体のうち、交流拠点には約5000平方mを活用し、残りの面積は公園として整備する。なお、駐車場の面積は適宜設定すると定めた。
施設整備の基本方針には、▽若者・学生が気軽に立ち寄ることができて、日常の居場所となる場▽子育て世代が子どもとともに安心して立ち寄ることができ、子どもも安心して遊べる場▽地域住民が生きがいや活躍の場、災害時の避難の場など多目的に利用し、地域コミュニティを形成する場▽来訪者の待合・休憩の場となり、市の観光情報や地域情報を発信する場──を盛り込んだ。
複合施設の機能については、▽窓口機能▽コミュニティ機能▽図書・学習機能──を想定。このうち、窓口は中央出張所を移転し、サービスを拡張する。設置場所はエントランスから分かりやすい位置に配置していく。
コミュニティ機能としては、交流スペースと会議室を設置する。交流スペースはエントランスに近い位置に配置するとともに、地域住民の交流の場、地域情報発信の場として整備していく。会議室は利用者に応じて、多目的に利用できる施設の整備を検討している。
図書館・学習スペースについては、本をゆっくり、くつろぎながら読める空間とする。また、学習スペースを併設し、学生や社会人が自由に勉強や仕事ができる空間を検討している。
また、敷地内には駐車場と公園も整備する。駐車場は災害時にも対応できるよう、大きめに整備していく。公園についても防災機能を有した公園とし、かまどベンチなどの設置を検討している。
想定事業費は、用地取得と基本・実施設計、工事監理、造成工事、本体工事、外構工事、公園工事、防災倉庫などを含めて税込25億6728万5000円に設定。ただし、この事業費は確定した金額ではなく、最小の経費で最大の効果を生むことを求めている。
スケジュールとしては、本年度に用地交渉と基本設計を行い、22年度に用地取得と実施設計を策定する。23年度には建築工事と公園工事を行い、24年度に施設の供用開始、25年度に公園の供用開始を予定する。