7件の対応を承認 事業評価委 東関道水戸線は増額(関東整備局)

[2022/1/21 茨城版]
 国土交通省関東地方整備局は14日、21年度の第5回事業評価監視委員会(委員長・朝倉康夫東京工業大学環境・社会理工学院教授)を開催し、提案された7件(再評価3件、事後評価4件)の対応方針を原案通り了承した。このうち、再評価対象となった東関東自動車道水戸線(潮来~鉾田)については、事業費で約650億円を増額して約1760億円とするなど、委員からは増額要因を踏まえながら厳格なコスト管理に努めることなどの意見が付けられた。

 今回諮られたのは、再評価が東関道水戸線のほか、国道246号厚木秦野道路と同じく厚木秦野道路(伊勢原西~秦野中井)の道路事業計3件と、事後評価が国道4号古河小山バイパスと国道6号土浦バイパス、国道16号入間狭山拡幅、茨城港常陸那珂港区中央ふ頭地区国際物流ターミナル整備事業の4件となった。

 このうち、東関道水戸線については、12月に開かれた第5回東関東自動車道水戸線(潮来~鉾田)事業連絡調整会議において、25年度から26年度ごろの開通時期が示されたところ。合わせて、コスト縮減に努めている一方で、工事内容などに見直しの必要性を確認した。

 見直しについては、自然条件によるものや関係機関協議によるもの、現地調査により判明した事象への対応、計画変更などにより、約650億円の事業費が増額する見込みとなった。内訳は、▽跨道橋の下部構造の変更及び関係機関協議による幅員の変更(約70億円増額)▽発生土の処理・運搬方法の変更(約200億円増額)▽調整池(北浦IC~鉾田IC)及び既設用水路の切り回しの追加(約90億円増額)▽安全対策の追加(約90億円増額)▽支障移設物件数等の変更(約90億円増額)▽猛禽類保護対策の追加及び立木伐採数の変更(約50億円増額)▽休憩施設の追加(約60億円増額)──となっている。

 このうち、自然条件による増額では、当初推定した支持層の下に軟弱層があり、支持層をより深い位置に設定する必要が生じたため、下部構造などの変更が必要となったほか、発生土については直接運搬・盛土することが困難となったため、仮置場所への運搬が追加となっている。計画変更による増額では、道路利用者へのサービス向上のために休憩施設の設置が追加され、これについては昨年9月に開かれた第4回事業連絡調整会議において、行方市内の主要地方道水戸鉾田佐原線との交差部(行方市青沼)に地域振興施設の併設を見据えた設置が決定している。

 また、事業計画の見直しにおけるコスト縮減では、IC接続部における構造の見直し(約12億円縮減)や、掘削土の一時仮置場所の変更(約190億円縮減)、橋脚下部工形式の変更(約1億円縮減)、休憩施設の設置箇所の比較(約45億円縮減)などにより、総額248億円を縮減するとした。このうち、IC接続部における構造の見直しでは、鉾田IC接続部をランプ橋構造による立体交差から平面交差点に構造変更することで橋梁部や土工部の盛土を削減するほか、掘削土の一時仮置場所の変更では掘削土の一時仮置場所を既設施設利用から沿線箇所(整備・借地)に変更するとした。

 継続の了承に当たり委員からは、「公表した開通年度に向け、確実な工程管理に努め、引き続き、できる限り早期の完成と供用に努めるとともに、供用後にストック効果がより一層発現されるよう、地元とも連携するように努めること」などの意見や、「引き続きコスト縮減に努めるとともに、今回事業費増となった要因も踏まえつつ、厳格なコスト管理に努めること」などの意見が添えられている。

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