年度内に土木工事公告 ポンプ槽基礎や流入管 宮城県 丸森町の新雨水ポンプ場(JS)
[2022/1/20 宮城版]
日本下水道事業団(JS)は本年度の発注予定を更新し、「丸森町神明南雨水ポンプ場建設工事」を追加した。同町との協定締結を受け、建設の初弾工としてポンプ槽や放流渠などに関する土木工事を発注する。入札時期は2~3月となりそうだ。新年度も、同ポンプ場の設備や樋門などの工事を順次発注する見通し。口径1200mmのポンプ1台を備え、2023年度内の完成を目指す。
丸森町は、2019年10月の東日本台風で役場周辺に甚大な浸水被害が生じたことから、内水氾濫対策を台風の復旧・復興計画(計画期間20~24年度)に盛り込んだ。既存雨水ポンプ場の復旧と併せ、雨水ポンプ場の新設、阿武隈川への雨水排水直接放流管(バイパス管)敷設などにより、排水能力強化を図る。
このうち、新設雨水ポンプ場(神明南雨水ポンプ場)は、神明地区の集会所跡地2600平方mに建設。半地下のポンプ槽と建屋となる電気棟、流入渠、新川への放流渠、樋門・樋管などを整備する。ポンプは口径1200mm1台を設置し、毎秒3立方mの排水処理能力を持った施設となる。設計は三水コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)が担当している。
町は建設に当たってJSに協力を要請。JSは建設工事のうち、これまでに町と協定締結に至ったポンプ施設の躯体基礎や流入・放流渠の土木工事について年度内の発注予定に盛り込んだ。工事種別は一般土木とし、等級はBランク。工期は約13カ月を見込む。
新年度には、ポンプを含む機械設備、電気設備、樋門・管の工事を発注する見通し。ポンプ場は町の復興計画に定めた23年度までの完成を目標とする。
なお、町はバイパス管の整備についてもJSと協定を結ぶ予定。管の延長は760mほどで、鳥屋地区山間部の雨水幹線(寺沢川)と接続し、北進したのち阿武隈川に放流する。管渠は口径1800mmを採用する見通し。こちらの設計も三水コンサルタントがまとめている。施工の大部分はトンネルとなりシールドが想定される。22年度に工事発注する。
新ポンプ場やバイパス管などが整備されると、排水量は被災時の毎秒3.94立方mから、約2.5倍となる毎秒9.94立方mを確保できる計画だ。