鹿窪・砂窪線を変更 増井線ほか2路線で幅員縮小(県都市計画審議会)

[2022/1/19 茨城版]
 県都市計画審議会(会長・中川喜久治県商工会議所連合会副会長)は13日、県庁で本年度の第3回審議会を開催した。今回は付議案5件を審議。内訳は下館・結城都市計画道路と常北都市計画道路の変更を「原案のとおり可決」、3市における廃棄物処理施設の敷地の位置に関する都市計画上の支障の有無について「支障なし」と決定。このうち、下館・結城都市計画道路では、鹿窪砂窪線の変更を行う。また、城北都市計画道路では、池ノ内・片山線と米沢・風隼線、増井線の3路線で幅員を縮小することを明記。なお、今回の内容は同日付で県知事に答申した。

 今回の審議を付議案順に見ると、まず下館・結城都市計画道路の変更では、鹿窪・砂窪線の変更を審議した。同線は結城市鹿窪字向原から結城字砂窪までを結ぶ、延長約4950m、幅員16m(2車線)の都市計画道路。22年度から整備に着手することを受けて変更を行う。

 主な変更箇所は3カ所となる。このうち、県道結城二宮線との交差部では隅切りを追加。隅切りの追加により、交差点部の見通しを良くし、曲がりやすくすることで、安全を確保していく。

 都市計画道路国府町・大谷瀬線との交差部には右折車線と隅切りを追加。右折車線の設置で渋滞を緩和するとともに、隅切りで見通しを確保する。なお、交差点付近の幅員は17mに変更して、右折車線の確保を行う。

 JR水戸線との立体交差する橋梁部には歩道を追加する。当初の計画では、跨線橋に最小限の車道の幅しか設けず、歩道を確保していなかった。しかし、同地周辺には小中学校が位置し、同線が通学路にもなっていることから、児童の安全確保のために歩道を整備していく。

 常北都市計画道路の変更では、池の内・片山線と米沢・風隼線、増井線の3路線で変更を行う。今回の変更は、城里町において、社会経済情勢の変化を踏まえて実施した長期未着手路線の見直し結果に基づき、道路ネットワークを再編することを目的とする。

 対象となる路線のうち、池の内・片山線(延長約1460m、幅員16m)と米沢・風隼線(延長約1440m、幅員16m)は城里町の市街地横断する都市計画道路となり、両路線の一部区間で幅員の縮小を行う。

 具体的には、米沢・風隼線は延長210m区間、池ノ内・片山線は延長540m区間で、それぞれ幅員を16mから12mに変更する。見直しは停車帯と歩道部分。この変更は現道の利用状況や、人口減少による交通量の減少などが理由となる。

 増井線(延長約1360m、幅員18m)は水戸ニュータウンを通り、県道城里那珂線と接続する都市計画道路。同線では全区間で幅員を14mに縮小する。見直したのは歩道部分。変更理由は、予定していた同線につながる市街地開発事業が中止になったことや、人口の減少、当初の計画に比べて社会情勢が変化したことなど。そこで、規模を縮小して整備することになった。

 神栖市における廃棄物処理施設の敷地の位置に関する都市計画上の支障の有無について(建築基準法第51条)では、JFE条鋼の廃棄物処理施設の増築を審議した。同施設は神栖市南浜地内に位置し、1995年度から鉄スクラップを原料に形鋼の製造を行っている製鋼工場。2019年度からは、鉄スクラップの溶融過程において電気炉で廃乾電池の処理も行っている。今回は、既存事業の延長として、電気炉での処理対象物に産業廃棄物を追加した。

 取り扱う廃棄物が増えることから、それらを敷地内に一時保管するためにテント倉庫1棟の増築を行う。施設の構造・規模は膜構造平屋300平方m程度を予定する。

 鉾田市における廃棄物処理施設の敷地の位置に関する都市計画上の支障の有無について(建築基準法第51条)では、三衆物産の廃棄物処理施設の新築を検討した。今回は鉾田市青柳地内に使用済家電製品の破砕処理を行う施設を新築する。

 三衆物産は、鉄スクラップやプラスチックなどのリサイクル事業を営んでおり、今回は子会社である三巨興業に使用済家電製品のマテリアルリサイクルを行わせ、事業の拡大を図る。新築する施設は工場棟(S造2階建て、延べ2992平方m)や管理棟(S造平屋78平方m)などを予定している。

 ひたちなか市における廃棄物処理施設の敷地の位置に関する都市計画上の支障の有無について(建築基準法第51条)では、カツタの廃棄物処理施設増築と敷地拡張を審議した。同施設は1998年度にひたちなか市高野地内に設置した廃物の破砕、焼却、乾燥を行う中間処理施設。廃物の処理量増加に伴い、焼却施設と汚泥乾燥施設の増築や敷地拡張を実施する。

 増築する施設は焼却棟(S造4階建て、延べ1683平方m)と主灰貯留棟(S造2階建て、延べ50平方m)、ダスト貯留棟(RC造平屋59平方m)。敷地面積は1万3290平方mから1万9390平方mに拡張することになる。

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