58.7haで区画整理 千渡地区農地整備 来年度から測量設計(栃木県 県農地整備課)

[2022/1/18 栃木版]

 県農地整備課は、2022年度から県営農地整備事業千渡地区に着手する。58.7haを対象に区画整理を実施して、標準区画50aの大区画化を進めるほか、排水路や暗渠排水を整備して水田の汎用化を図る。22年度から2カ年で測量設計を行い、工事は24年度から28年度までの5カ年で実施。換地処分まで含め8カ年の事業期間を予定し、総事業費は13.8億円を試算している。

武子川改修用地の創設も

 千渡地区の事業対象箇所は、鹿沼市の千渡、白桑田、深津地内で、この地域は千渡地区圃場整備推進委員会を中心に地域農業の持続や発展可能性を検討してきた。

 この地域の現況は、小区画・不整形で一筆毎の田差が比較的大きい地形を形成しており、用排兼用の水路や狭い道路に加え、排水不良地が広がる水田地帯であることから、水稲以外の栽培が困難な、作物選択性が限られる地域となっている。

 このため、水稲と露地野菜を中心とした土地利用型農業の展開を目的に、水田の大区画化や汎用化、スマート農業に対応した基盤整備を実施し、担い手への集積・集約化および収益性の高い園芸作物の生産拡大を促進していくことで、次世代を担う人材を確保し、「稼げる農業」の実現を目指す。

 この事業では換地作業とあわせ、農地中間管理事業を活用して担い手への農地集積・集約化率を8割以上とする。また、大型機械の導入による農作業の効率化を図るため、圃場の標準区画を50aとして大区画化を進める。

 水管理の効率化に向けては、用水路と排水路を分離して整備するとともに、担い手の用水管理の省力化を図るため、ICTを活用した「ほ場揚水管理システム」を導入する。さらに、高収益作物の導入を図るため、排水路や暗渠排水の整備により水田の汎用化を進めていく。

 事業内容は、区画整理を58.7ha(水田56.0ha、畑2.7ha)で実施し、標準区画50aへと整備する。整地工58.7haのほか、道路工9.9km、水路工20.6km(用水路10.7km、排水路9.9km)を計画。あわせて、暗渠排水工を56.0haで実施する。

 事業スケジュールは、22年度から23年度にかけて測量設計を実施して、工事は24年度から28年度まで5年間を想定。29年度には、換地処分を実施して事業を完了する。事業費の内訳は、工事費11.9億円、測量設計費0.4億円、用地補償費0.1億円、換地費1.4億円の計13.8億円を見込み、国費50%、県費30%、市費7.5%と、地元が12.5%を負担する。

 同課によると、事業化にあたっては農道の砂利舗装に再生骨材を使用するなど、コスト縮減を図るとしている。なお、県県土整備部が整備する一級河川武子川の改修用地12.3haは、この事業で創設する。

千渡地区位置図

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