水道事業の統合・広域化 九十九里・南房総で管路耐震化など合意(千葉県)
[2022/1/18 千葉版]
千葉県は、水道事業の統合・広域連携について、進ちょく状況を明らかにした。九十九里・南房総地域のリーディングケースでは、施設整備の方針などの協議を進め、国の交付金を活用して基幹管路の耐震化などの施設整備を積極的に進めていくことなどで合意している。
九十九里・南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合に向け、副知事や副市町村長で構成する統合協議会準備会議を設置し、協議している。各地域の末端給水事業体では、すでに統合済みの君津地域を除く、県内7ブロックで、統合・広域連携に向けた議論が進んでいる。
九十九里・南房総地域のリーディングケースでは、統合協議会準備会議において、統合後における水道用水供給料金や施設整備の方針など、統合に関する基本的な事項について、協議を進めてきた。
会議では▽管理部門の集約や国の交付金の活用により、水道用水供給料金を引き下げること▽交付金を活用して、基幹管路の耐震化などの施設整備を積極的に進めていくこと▽これらの事項を基本にさらに協議を進めていくこと──などの合意が得られた。
統合に向けた具体的な協議を行う場として統合協議会を設置するため、関係市町村などと調整を進めている。引き続き、早期の統合実現に向けて取り組んでいく。
末端水道事業体の統合の進ちょくをみると、九十九里地域では、統合の前提となる基本計画の素案を22年度末に策定することしており、専門分野ごとに具体的な検討を進めている。
南房総地域では、統合に関する基本的な方向性などについて、20年8月に覚書を締結。夷隅地域と安房地域では、22年度の統合協議会設置に向けて、具体的な調整を進めている。
19年9月に公表した千葉県版水道ビジョンでは、人口減少が見込まれる中、将来にわたり水を安定供給するため、水道事業体の経営健全化、技術の確保、施設の更新などの課題を解決する必要があるとした。
個々の取り組みでは限界があることから、現在の水道用水供給事業体と、その構成市町村の枠組みを基本に、県内8ブロックを設定し、統合・広域連携の検討を進める方向性が示されている。