ランプウェイに2橋架設 動線分離を検討 松島海岸IC改良(宮城県道路公社)
[2022/1/15 宮城版]
宮城県道路公社(笹出陽康理事長)は三陸自動車道・松島海岸インターチェンジ(IC)の改良に向けて、橋の新設を検討している。一部が交差している乗車側、下車側のランプウェイを分離し、ランプウェイ内に設置している信号機を廃止する考え。橋は2カ所への設置を想定し、架設位置や分離方法を検討していく。
道路公社が管轄する松島海岸IC(宮城県利府町赤沼)は、1986年の開通当初は「仙台松島有料道路」の北側の起点だった。その後、石巻方面への延伸整備が進み、1993年に松島海岸IC~松島大郷IC間が開通。この時、ハーフ規格だった松島海岸ICをフル規格に改良し、石巻方面から同ICに下りることも、石巻方面に乗ることもできるようになった。しかし、一部のランプウェイは独立した形で造らず、Y字形の交差点となった。信号機を設置し、交通整理している。
現状では、石巻方面へと下り線を走ってきた車が松島海岸ICで下車する際、本線からランプウェイに進入すると、その先に信号機が設置されている。同ICから石巻方面へと向かうランプウェイと、動線が交差しているため。
ランプウェイ内に信号機があるICは全国的にも珍しく、そのことが「自動車専用道路内に信号機はない」という思い込みにつながって信号機の見落としを招いている。
ランプウェイの安全対策について、道路公社は信号機を廃止する代わりに、乗車側、下車側のランプウェイをそれぞれ独立させ、動線を分離する方針。2019年度にはランプウェイの改修に係る測量と道路予備設計を復建技術コンサルタント(仙台市青葉区)に委託し、検討を重ねてきた。
これまでの検討を踏まえ、動線を分離する方法として新たにランプウェイに橋を架設する方針を検討することにした。本年度から橋の予備設計に着手し、架設位置や動線の分け方などをさらに検討していく。
橋の予備設計は建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)に委託した。同社は2021年12月14日に開札した「仙台松島道路松島海岸IC橋梁予備設計業務委託」の指名競争入札を、2682万2000円で落札した。
橋は乗車側、下車側のランプウェイそれぞれに架設する考え。乗車側は既存の本線橋の近くに、橋長18mの橋の設置を想定している。下車側のランプウェイには、本線をまたぐ橋長230mの橋の設置を想定している。
予備設計の履行期間は3月31日までとしているが、2022年度まで延長してより具体的な検討を続けていく。