小山広域 新焼却施設4月公告へ 現施設敷地内に180トン規模で
[2022/1/14 栃木版]
小山広域保健衛生組合(管理者・浅野正富小山市長)はこのほど、第2期エネルギー回収推進施設(ごみ焼却施設)の基本設計を明らかにした。この事業は、全連続燃焼式ストーカ方式・廃熱ボイラ付のごみ焼却炉(90トン×2基)を備えた施設を整備するもので、計画地は中央清掃センター(塩沢576-15)内にある粗大ごみ処理施設を解体した跡地。22年度は整備事業者の選定に向け、4月にも公告して23年度当初に契約を締結する。第2期施設は23年度に設計、24~26年度に工事を行い、27年度からの稼働を目指す。
業者選定にあたっては、有識者による検討委員会を設置して、基本設計を基に施設内容、整備方針、要求水準書、業者の選定方針などを検討。その検討結果を基に、整備方針、要求水準書、業者の選定方針などをまとめる。第2期施設の基本設計、施設整備・運営を行う事業者選定アドバイザリー業務は国際航業(東京都千代田区)が担当している。
22年度から開始する第2期施設建設と合わせて、搬出入道路や直搬ごみ受入ヤード、雨水調整池などの整備を実施する。管理棟解体は22年度に設計をまとめ、23年度に工事を実施する。第2期施設完成後には、現行の160トンごみ焼却施設を解体。解体にあたっては土壌汚染状況調査を行い、調査結果によっては汚染物質除去を優先して実施する。160トンごみ焼却施設解体後の跡地には、資源物ストックヤードや災害廃棄物第2次集積所を整備する。
敷地では災害時の仮置き場のスペース確保や第2期エネルギー回収推進施設の整備のほか、水害に備えた嵩上げを計画しているが、現在の規模では急勾配になるため、敷地西側への拡張を計画。現在の約3万2000平方mから、約4万7000平方mの規模にする。22年度に敷地を取得する見込みで、敷地造成工事は24年度になる見通し。敷地造成基本設計は国際航業が担当した。
第2期施設は、第1期施設の西側に設置する。第2期施設建設時に、現管理棟・現仮設計量棟の跡地へ見学者用駐車場、敷地北西へ直搬ごみ受入ヤード(60平方m×4区画程度)や直搬ごみ計量器および委託・許可車両用計量器、敷地南西へ雨水調整池(A約5560平方m、V2776立方m)および進入路を整備。第2期施設完成後に160トン焼却施設を解体し、跡地に資源物ストックヤード(40平方m×5区画または100平方m×2区画程度)や災害廃棄物第2次集積所を整備する。
建築にあたっては、浸水対策として1階レベルを現況の地盤高から2m程度高くし、1階外壁(敷地レベル高さ3m以上)はRC構造とする。
設置を予定している主要機器について、ごみピットは7日分(1万0350立方m)以上を確保する。可燃ごみの受入貯留方式はピットアンドクレーン方式を、前処理設備は二軸低速回転破砕機を採用する。煙突は高さ59mで工場一体型とし、内筒1筒(スペース3筒分)とする。
地震対策は、耐震性で構造体II類・非構造部材A類・設備甲類とする。プラント機器は甲類とし、架構は火力発電所の耐震設計規定に準拠する。停電時でも稼働できるよう、始動用電源で非常用発電設備を整備。火災対策については、自動火災検知器や自動消火設備を設置する。
計量器は、搬入側・藩主津川で各1基設置し、セキュリティ強化のため車両ナンバー読取装置を設置する。プラットホームは1階南側に配置し、出入口扉は防水仕様とする。第2期施設プラットホーム東側と第1期施設のプラットホーム西側には、渡り廊下を整備する。プラットホーム上部階に、見学者対応用研修室や運転管理用諸室を整備。見学者通路および見学者ルートには、環境学習設備や施設を見学できる見学窓を配置する。
雨水排水は、第1段階で既存排水路の東側ルートを利用し、排水できない部分の排水路を追加整備する。追加整備では雨水調整池を経由し、既存排水路と別の箇所に排水口を設置する。資源物ストックヤード完成時には、東側ルートを一部敷地内部に切り回し、ストックヤード西側道路部に排水路を追加整備する。