事業費は104億円 マンションと商業施設を建設(水戸駅前再開発)
[2022/1/14 茨城版]
水戸駅前三の丸地区市街地再開発組合が進めている駅前再開発事業について、22年度から事業を再開することが分かった。それによると、当初計画を予定していたホテル建設を断念し、規模を縮小して整備を行う。整備予定地内にはマンションと商業・業務棟、立体駐車場を建設する。概算事業費は104億円に設定。22年度には実施設計や解体工事などに着手する。順調に行けば、24年度から本体工事に入り、26年度夏の完成を目指す。7日に開催した水戸市議会建設業委員会で市が明らかにした。
水戸駅前三の丸地区市街地再開発事業は、水戸駅北口に県都水戸の玄関口にふさわしい市街地活性化に寄与する交流拠点づくりを図るもの。施行想定区域はリヴィン水戸店跡地と周辺のビルなど約1ha。当初は同地にホテルやマンション、店舗などで合計約4万1570平方mを整備する計画であった。
しかし、新型コロナウイルスの影響を受けて、ホテル需要の不透明感から出店企業が見当たらず、ホテル建設を断念。事業計画の再考に時間を要していたが、このほど、資金計画や床処分計画の変更計画がまとまったことを受けて、事業を再開した。なお、特定業務代行者は長谷工コーポレーション(東京都港区)が担当する。
計画の変更点をみると、マンション建設が削除されたことを受けて、延べ面積が4万1570平方mから2万5214平方mに削減。ホテルに加え、店舗や業務、教育文化施設についても規模を縮小する一方、マンションについては住宅戸数を50戸分増加した。
概算事業費は当初の計画から18億円を減額し、104億円とする。内訳は調整設計計画費9億4700万円、土地整備費9億7000万円、補償費4億2400万円、工事費76億7900万円などとなる。
計画地内には住宅棟と商業・業務棟、立体駐車場の3棟を建設する。このうち、住宅棟と商業・業務棟の2階部分は駅直結のペデストリアンデッキと接続させる。その際にはペデ部分を延長する計画となる。
各施設の規模をみると、住宅棟は20階建て、延べ1万7607平方m程度で計画。住宅棟の1階部分には商業テナントを設ける。住宅戸数は186戸とし、面積は1万4417平方mを確保する。
商業・業務棟の規模は4階建て、延べ2519平方m程度とする。内部には保育所や飲食店、企業オフィスなどが入る予定。住宅棟の1階部分と合わせて、店舗846平方mや保育201平方m、業務1156平方mを確保した。
立体駐車場の規模は4層5段で、延べ5088平方m程度。駐車台数は234台とする。
再開発にあたっては、計画地に立地する既存施設の解体を行う。対象となるのは、国道50号に面した成晃ビルや山田ビルなどの建築物に加え、旧銀杏坂に面した三井住友海上火災保険水戸ビルなどとなる。
今後のスケジュールは22年度に実施設計に着手するとともに、事業計画変更認可や権利変換計画認可を行うほか、年度末には一部解体工事に着手する。23年度中に解体工事を完了し、24年度から本体工事に入り、26年度夏ごろの完成を目指す。