事業費は35億円 飯名地区に子育てコミセン(鉾田市)

[2022/1/13 茨城版]
 鉾田市は6日、飯名地区市有地利活用基本計画(素案)を公表した。それによると、同地区内に新たにコミュニティセンターと多目的広場、防災機能を有する施設を建設する。概算事業費は約35億円と試算。整備手法は市の資金を用いて設計、建設、運営及び維持管理について、それぞれ民間事業者に発注する従来方式で進めていく。事業スケジュールは、22-23年度に設計、23-24年度に建設工事を行って、開館は25年の10月を予定している。市は基本計画の策定に市民の声を反映させるため、パブリックコメントで2月4日まで意見を募集している。

 飯名地区の市有地は主要地方道水戸鉾田佐原線沿いの敷地面積2万7767平方mで、隣接地にはJAほこたの農産物直売所「なだろう」が立地する。当初は文化複合施設「鉾田市民交流館」の建設地として取得したが、その後、整備計画を白紙撤回したため、未利用地の状態となっている。

 この市有地の活用に向け、利活用検討委員会の提言や市民意識調査の結果を踏まえて、市では20年11月に飯名地区市有地利活用基本構想を策定。その後、その基本方針に基づいて詳細な検討を進め、施設の機能や規模、運営などの方針を盛り込んだ飯名地区市有地利活用基本計画(素案)を取りまとめた。

 新施設には、基本構想に基づき、子育て支援や市の魅力発信、市民活動の活性化を図るため、コミュニティセンターと多目的広場、防災機能を盛り込んだ。施設名は、「(仮称)鉾田市子育て・コミュニティセンター」としている。

 このうち、コミュニティセンターには、▽子育て支援機能▽情報発信機能▽コミュニティ活動機能▽共有スペース──を盛り込む。子育て支援機能としてはプレイルームや子ども図書館、子育て相談室などを配置し、床面積は約850平方mとなる。情報発信機能としてはカフェや情報スペースなどで延床約500平方m。コミュニティ活動機能としては多目的フロアや会議室、市民活動室などで約1950平方m。共有スペースにはアーケードや施設管理者用の事務室などを配置し、約650平方mを確保する。コミセン部分の規模はS造平屋一部RC造2階建て、延床面積3800-4200平方m程度を想定する。

 また、多目的広場には広場機能として広場やアスレチック、遊具、ウォーキングコースを整備していく。さらに防災機能として、防災倉庫や炊き出しなどに利用できるキッチンスペースを設けることも検討している。

 施設建設の概算総事業費は、想定規模や類似施設のコストを踏まえて、約35億円と試算した。内訳は測量、基本・実施設計、工事管理委託費の合計が2億1780万円。工事費は造成工事費3300万円、電気、設備、外構工事等を含めた建設工事費が30億4700万円となる。このほか備品購入に1億9800万円を予定する。

 整備手法は、▽従来方式▽DB方式▽DBO方式▽PFI方式──について検討を実施してきた。その結果、市民の意見等の反映や将来のニーズ変化における柔軟な対応が可能となることを理由に従来方式で進めることになった。

 事業スケジュールは、基本計画策定後に測量業務と基本設計を22年度中ごろまで、実施設計を23年度前半までに策定。造成工事を23年度に行って、建設工事は23年度後半から24年度末までの2カ年で実施し、25年10月の開館を目指す。

 この基本計画案に意見のある者は、持参または郵送、ファクシミリ、電子メールで意見書(様式は任意)を提出できる。詳しい問い合わせは、政策企画部まちづくり推進課プロジェクト推進係(電話、0291-36-7154)まで。

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