芳賀・宇都宮基幹交通検討委 高層建築や住宅増加 LRT整備効果 まちづくりの施策検討
[2021/12/25 栃木版]
第31回芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会(委員長・森本章倫早稲田大学教授)が24日、宇都宮市の県総合文化センターで開かれ、LRTの整備効果についての評価項目の整理や評価手法を協議した。期待される整備効果には、事業所数の増加や高層建築物の建築数の増加、住宅の新規着工数の増加、 都市機能誘導施設の増加、未利用地の利用促進などを挙げている。このあともJR宇都宮駅東・西側で調査を行い、整備効果を高める施策やまちづくり施策につなげていく。
LRTの整備効果には▽まちの姿の変化▽生活の変化▽既往の検討事例や先進事例等-の視点から期待される項目を抽出して整理し、整備効果を検討していく。現時点では想定しえない分野に波及することも考えられるため、検討状況に応じて適宜項目の追加を行うことも考えている。
検討手順については、期待される整備効果項目を抽出・整理し、整備効果を評価・整理。開業前に必要な調査を行い、開業後も沿線の変化などに係る調査を実施して、開業前後の沿線の変化などの検証・整理を行う。
その後も継続的に調査し、整備効果の把握・検証を行い、LRTの整備効果を高める施策やまちづくり施策を検討・実施する方針。駅東側から先行し、駅東側の検討成果を駅西側での検討に反映させるという。
整備効果の評価手法は、定性的な評価、定量的な評価を行い、LRT整備で市民・町民の生活がどのように豊かになるか、まちの姿がどのように変化していくか、生活シーンの変化のイメージ化などを示す。
整備効果項目の詳細については、地域経済で▽産業活動の活発化(産業地の魅力やポテンシャルが向上し、設備投資が増加)▽事業所数の増加(沿線の工業地整備が促進し、事業所数が増加)-など、また地域社会で▽地価の上昇(LRTが住宅地等の地価形成要因となる)▽高層建築物の建築数の増加▽住宅の新規着工数の増加▽都市機能誘導施設の増加(地域拠点等での増加)▽空き家・空き地の減少(低未利用地の利用促進)▽景観の向上(景観に配慮した建物への更新など)-などが期待される効果として挙げられている。
「まちの姿の変化」の視点では、宇都宮市は中心市街地や各拠点にまちの機能を集約したネットワーク型コンパクトシティ(NCC)の形成、芳賀町は住宅地整備や地域ブランド力向上による魅力あるまちづくりで新たな人の流れをつくることを目指しており、これらの考え方から▽産業活動の活発化▽事業所数の増加▽地価の上昇▽高層建築物の建築数の増加▽住宅の新規着工数の増加▽都市機能誘導施設の増加▽空き家・空き地の減少▽景観の向上-などを期待している。
市民・町民の生活の変化という視点では、中心市街地の活性化などを期待。既往の検討事例や先進事例などの視点では▽地域活動の活発化▽事業所数の増加▽地価の上昇▽高等建築物の建築数の増加▽住宅の新規着工数の増加▽景観の向上-などが期待されるものとなっている。