二級河川椎津川、平久里川で流域治水の検討本格化(千葉県・流域市町村)
[2021/12/25 千葉版]
二級河川の東京湾南部、房総の2圏域で、流域治水プロジェクトの検討が本格化する。24日に両圏域で流域治水協議会が発足し、今後の進め方などを確認した。東京湾南部圏域の椎津川と房総圏域の平久里川の2水系について、流域治水プロジェクトの検討を進め、年度内にとりまとめる方針だ。
本県では、流域治水を計画的に推進していくため、県や市町村長で構成する「流域治水協議会」を設立し、協議や情報共有を進めている。県内には二級水系が60水系あるため、策定済みの一宮川水系を除く県内全域を「東京湾北部」「九十九里」「東京湾南部」「房総」の4圏域に分割し、各圏域に流域治水協議会を設置している。
このうち、流域治水プロジェクトの数が多い、「東京湾北部」「九十九里」の2圏域については、8月に流域治水協議会を設立。11月に海老川、都川、南白亀川、作田川4水系の流域治水プロジェクトを策定した。
残る「東京湾南部」「房総」の2圏域について、流域治水協議会を24日に設置。河川整備計画に基づき計画的に河川改修を進めている東京湾南部圏域の椎津川水系と房総圏域の平久里川水系について、流域治水プロジェクトの検討を進め、2022年3月下旬の策定・公表を目指す。
両圏域の流域治水プロジェクトでは、河川改修のほか、雨水貯留浸透施設などの「流出抑制対策」、災害危険区域の指定や輪中堤などの「土地利用・住まい方の工夫」を検討していく。
本年度、流域治水プロジェクトを策定できなかった水系については、流域治水協議会での協議を踏まえ、順次策定を進める方針を示した。
国土交通省「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」では、気候変動による水災害リスクの増大に備えるため、河川・下水道管理者などによる治水対策に加え、流域全体で実施する治水「流域治水」へ転換する方向性が示されている。