児童相談所の設計プロポ公告 建設費20億円(船橋市)
船橋市は23日、児童相談所新築工事基本・実施設計業務の委託事業者を選定する公募型プロポーザルを公告した。今年7月に策定した基本構想をもとに、JR南船橋駅南口にある市保地の一部3000平方m程度の敷地に、児童相談所機能と家庭児童相談室機能を一元化した児童相談所を整備、2026年4月の開所を目指す。施設規模は2~3階建て延べ約3370平方mを想定。構造は未定。提案限度額は8771万4000円(税込み)。履行期限(予定)は23年9月15日まで。建設費として約20億円を見込んでいる。
業務内容は▽基本設計▽実施設計▽地質調査(5カ所程度)、土壌分析(1検体、溶出試験28項目)──。追加業務として各種申請手続きや積算、各種説明資料の作成などを担当してもらう。
整備予定地は、若松2丁目1番15の一部。敷地面積は約3000平方m。用途地域は第一種住居地域。建ぺい率は60%、容積率は200%。高度地区は第二種高度地区。地区計画は南船橋駅南口地区計画。
必要諸室は、児童相談所が事務室や会議室、職員休憩室、相談室、待合室、親子交流スペースなど。定員約30人の一時保護所が、居室(個室・2人部屋)、リビング、ラウンジ、食堂、厨房、屋内外運動場、遊戯室など。また、共用部には防災備蓄倉庫、廃棄物保管庫などを設置する。居住エリアは、幼児と学齢児用に分けて提案してもらう。
施設の耐震安全性は、構造体がII類、建築非構造部材がB類、建築設備が乙類とする。
参加要件は、船橋市において建築関係建設コンサルタント(建築一般、意匠、構造、暖冷房、衛生及び電気)の登録がある単体企業。また、経験として12年1月以降に児童福祉法に規定する一時保護所を含む児童相談所(複合施設を含む)の基本・実施設計業務を履行した実績を求めている。
参加申込書を22年1月24日まで受け付け、参加者決定結果を27日に通知。技術提案書を2月8日まで受け付け、プレゼンテーション審査を18日に実施、審査結果を24日に通知する予定だ。 7月に策定した基本構想では、基本的な機能について、児童相談所機能(相談機能・一時保護機能・措置機能)と家庭児童相談室機能(子ども家庭総合支援拠点機能・要保護児童およびDV対策地域協議会調整機能)を想定。船橋市保健福祉センター(北本町)に設置している家庭児童相談室を移転し、市児童相談所がその機能を有することで、子どもに関する問題に一元的に対応する。
施設整備の基本的な考え方は▽子どもと相談者・保護者の動線を交差させずに独立▽事故防止のため可能な限り低い階層▽運動スペースを屋内外に確保▽プライバシー確保のため個室を基本──など。
児童相談所の設置について、松戸徹市長は、「児童相談所と家庭児童相談室の機能を一体化して、切れ目のない支援体制をつくっていくことが重要と考えている」と話していた。
なお、市では、児童相談所建設予定地の北側市有地を活用、民間活力の導入により、特別養護老人ホームを中核とした「地域の介護サービスの拠点」を整備することを検討している。面積は約4000平方m。事業手法は、長期間の賃貸借契約。