銚子連絡道路 匝瑳~旭間の延長13km事業化へ(千葉県土整備部)
[2021/12/17 千葉版]
千葉県議会の県土整備常任委員会が16日開かれ、県土整備部関連の補正予算案や工事請負契約締結議案など16議案について審議し、いずれも原案通り可決した。質疑では、銚子連絡道路の匝瑳市~旭市間延長13kmの事業化に向けた進ちょく状況のほか、原材料費の高騰に対する公共工事への影響などが明らかになった。
県道路計画課は、銚子連絡道路について、進ちょく状況を説明。本年8月末に都市計画決定した匝瑳市~旭市間の延長13km区間について、事業化に向け、国の道路新設にかかる認可取得手続きを進めている。
事業着手の必要性や妥当性を評価する新規事業採択時評価について、県の公共事業評価審議会に諮る方針を示し、「匝瑳市~旭市間が早期に事業化できるよう、積極的に取り組んでいきたい」とした。
県技術管理課は、原材料費の高騰に対する公共工事への影響について説明した。半導体や高力ボルトなどの納入の遅れにより、工期の延期などが数件発生している。資材高騰により、発注ができなくなったなどの影響が生じた工事は発生していない。
受注後に賃金や物価が変動した場合、受注者は請負額の変更を請求できるようになっているが、県土整備部では今年度、受注者からの請求で増額変更した工事は10月末時点で3件。物価変動のあった主な資材は、鉄筋と生コンクリートとなっている。
県管理道路の交通安全対策
委員会の冒頭、池口正晃部長は交通安全対策について報告した。八街市で発生した交通事故を受け、小学校の通学路で実施された一斉点検で、危険性が確認された3495カ所について、教育委員会や警察などと連携し、対策案をとりまとめた。
このうち、2330カ所は、国・県・市町村の道路管理者が対策を講じる。県管理道路については、709カ所で歩行空間を確保するための歩道整備をはじめ、ガードレールや車止めなどの対策を実施する。実施可能なものから順次着手しており、進ちょく状況を確認しながら、通学路の安全対策を進めていく考えだ。
治水対策については、県内の二級河川で「流域治水プロジェクト」の策定作業を進めており、本年3月に策定した一宮水系に続き、11月には海老川、都川、南白亀川、作田川の4水系で策定・公表した。ほかの水系についても順次策定を推進する。
甚大な浸水被害を受けた一宮川については、11月25日に知事と流域市町村長が財務省と国土交通省に対し、一宮川上流域・支川における河川整備の新規事業化など治水対策の強化を求める要望活動を実施した。国からは流域全体の取り組みを支えていく考えが示された。引き続き、事業化に向けて国と協議を進めていく方針だ。