佐野市 出流原で物流開発 第2次総合計画中期基本計画案 新産業団地整備を推進

[2021/12/16 栃木版]

 佐野市はこのほど、第2次市総合計画基本中期基本計画案をまとめた。第2次市総合計画は、基本構想・基本計画(前・中・後期)・実施計画で構成。中期基本計画の期間は、2022~25年度までの4年間となっている。同案によると、道路などのインフラ整備などのほか、(仮称)出流原スマートICの周辺開発の推進、馬門地区・赤城地区の農地整備、唐沢山城跡の保存や整備、林道作原沢入線の観光活用および展望台駐車場整備を盛り込んでいる。

馬門・赤城地区で農地大区画化

 産業振興で活力あるまちづくりでは、サテライトオフィスの整備や誘致の推進、産業団地整備の推進を挙げている。産業団地は開発候補地を検討し、調査や関係機関との協議を実施。国道50号沿線開発(西側エリア)の事業化に向けた取り組みを進めていく。

 (仮称)出流原PA周辺開発の推進では、同PAを東日本高速道路(NEXCO東日本)が24年度の完成を目指して整備に着手したことから、市は出流原PA周辺総合物流開発整備を推進する。

 PA周辺総合物流開発では、Aゾーンを先行開発する。Aゾーン(約10.8ha)は、インランドポートから西に1.5kmに位置し、東は一般県道山形寺岡線、西は市道赤見297号線や北関東自動車道に面している。市はAゾーンについて、物流中心で製造業等も含めた産業団地にするとし、造成などの整備を行う。

 中心市街地および地域市街地の活性化では、空き店舗活用推進などのほか、市道57号線などの整備や足利銀行佐野支店跡地活用などのまちなか活性化拠点の整備検討を挙げている。都市型農業の推進では▽スマート農業の推進▽馬門地区・赤城地区の農地整備を推進し、大区画化▽用排水施設の改修等の支援-などを行う。区画50a以上に整備された農地面積は、20年度の24haから25年度には92ha、耕作放棄地面積は146haから125haにする目標を設定している。

 中山間地域の活性化では▽森林管理制度の推進、林道の計画的な改良や橋梁等の修繕▽公共建築物等への市・県産材の利用促進▽鳥獣被害対策-を挙げている。木材伐採面積は20年度の287.2haから558ha、経営管理権集積計画の面積は4.1haから60haにする目標を定めた。

 魅力ある観光資源の開発と整備では、観光施設の計画的な改修や観光案内看板の設置・改修などのほか、林道作原沢入線の観光活用および展望台駐車場整備を検討する。25年度までに、開発・整備した観光資源数は3カ所、改修した観光施設等数は7カ所にする目標を定めている。

 歴史・文化資源の継承と保存では、史跡の適切な保存と整備などのほか、唐沢山城跡では遺構の保存整備、石垣の保存や修復、落石防止対策、排水施設の維持および再整備などを構想。根小屋区域は、長期的計画として史跡公園の整備を検討し、旧田沼高校跡地では城跡ガイダンス施設の建設を検討している。

 子育てしやすい環境の確保では、保育所の統合や民営化、不足が見込まれる小学校区への放課後児童クラブの整備などを挙げている。

 安全で安心して学べる教育環境の整備では、学校施設設備などの計画的な改修、熱中症・感染症対策、小中一貫校の整備推進、通学路の点検による危険箇所の把握および対策などを行う。生活を豊かにする生涯学習の推進では、生涯学習施設の耐震化改修などを挙げている。

 消防・防災体制の充実では、耐震性防火水槽の増設、一般河川の堤防強化や土砂災害危険箇所の整備、普通河川の改修、大規模盛土造成地の安全性の確認などを行っていく。交通安全・防犯・消費者対策の推進では、カーブミラー・街路灯の整備、道路の危険箇所の点検、歩道整備の推進、防犯灯や防犯カメラ設置への補助などを挙げた。

 快適で質の高い住環境の整備では、市産材の建築物活用への支援、市営住宅の長寿命化および統廃合・再編、空き家の有効活用、市道等の改良や維持補修、橋梁等の補修、雨水排水路の整備、公園のトイレ水洗化などを挙げている。

 安全で安定した水の供給と生活排水の適正処理では、紫外線照射装置の計画的な整備、老朽化した水道施設の管路・電気機械設備の更新、公共下水道未普及地区の整備推進、合併処理浄化槽設置の支援、水洗化普及活動、生活排水処理施設の改築・修繕などを挙げている。25年度までに、生活排水処理人口普及率を91.3%にする。

 都市の機能を高める幹線道路の整備と計画的な地域づくりの推進では、都市計画道路3・4・201号高砂植下線(市道1級1号線)の整備などを実施するなど、25年度までに幹線道路の整備率を45%にする。公共交通の整備では、パーク&バスライドの拠点として、新都市バスターミナルを整備する。

 ごみの発生抑制と資源の有効活用では、不法投棄対策の監視カメラや看板設置などのほか、ごみ処理施設のあり方を検討。2027年度以降の稼働延長や新施設建設などの方針を検討する。

 再生可能エネルギーの活用と省エネルギー対策の推進では、再生可能エネルギー発電設備の適切な設置および管理、間伐材等の資源活用の検討などを挙げている。豊かな親善環境の保全では、里山林の整備などを行うとし、森林の主伐・間伐の面積は25年度までに558haにする目標を設定している。

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