内外エンジニアに委託 防潮水門の整備構想検討 山元の高瀬川排水路(阿武隈土地改良)
[2021/12/15 宮城版]
農林水産省阿武隈土地改良調査管理事務所は、高瀬川排水路(山元町)の防潮水門整備構想検討業務を内外エンジニアリング(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。業務委託に当たっては簡易公募型プロポーザルを実施し、審査を経て同社を受託候補者に選定。9日に見積もり合わせし、14日付で契約した。委託額は税抜1030万円、予定価格が同1039万円だった。
この業務は、既存の防潮水門について更新に向けた整備構想を検討する。具体的には昨年度に行った機能診断の結果を踏まえ、更新方法を考える。仮に全面改築が適当となれば、新たな防潮水門の設置場所なども検討する。業務の履行期間は2022年3月14日まで。
昨年度の機能診断業務はジルコ(東北支社・仙台市青葉区)が担当した。同事務所は年度内に整備構想をまとめて方向性を定める考え。
既存の防潮水門は、同町山寺地区で、高瀬川排水路と鷲足川排水路が合流する地点よりやや東側に設けられている。1962年に国営亘理農業水利事業で造られた。下流側には牛橋防潮水門があり、そこから仙台湾の海に注いでいる。
構造は鋼製2段式ローラーゲートで、3門が備わっている。2段式のうち、上段は純径間(幅)が7.9m×高さが0.77m、下段は幅が7.9m×高さが1.77mの規模。下流側に隣接して管理用道路の橋が架かっている。
防潮水門は農地への海水(溶けた塩)の侵入を防ぐ水位調整などを行っている。すでに建設から60年近くが経過し、老朽化している。海岸部に近いため塩害による戸当りの腐食や変形、巻き上げ機の塗装の剥がれなどが確認されている。亘理土地改良区が管理している。