県住宅課 公営住宅1万5000戸供給 県住宅マスプラ 素案示しパブコメ開始

[2021/12/14 栃木版]

 県住宅課は14日から、「県住宅マスタープラン(県住生活基本計画、県高齢者居住安定確保計画、県賃貸住宅供給促進計画)」の素案に対するパブリックコメントを実施する。この素案は、県住生活基本計画の見直しにあたり、関連する県高齢者居住安定確保計画や県賃貸住宅供給促進計画も加えた3つの計画で構成する新たな「県住宅マスタープラン」を策定するもので、計画期間は2021年度から30年度の10年間。30年度までにサービス付き高齢者向け住宅の供給量を7600戸、セーフティネット住宅の登録数を1万7000戸、公営住宅の供給目標1万5000戸・回などの目標を掲げる。素案に意見のある人は、22年1月13日までに郵送・ファクス、電子メールのいずれかで提出する。

 県住宅マスタープランは、これまでも国の見直しに伴い概ね5年毎に見直しを実施してきた。今回の見直しは、国の住生活基本法(全国計画)が21年3月に改定されたのを踏まえて改定するもの。従来の県住生活基本計画に加えて、部門計画となる県高齢者居住安定確保計画と県賃貸住宅供給促進計画を統合して、住宅施策を一体的に推進する計画とする。

 素案によると、計画期間は21年度から30年度までの10年間とし、今後の社会経済情勢の変化や住生活基本計画(全国計画)の見直しを踏まえ、概ね5年毎に見直しを行う。

 マスタープランの構成は、プランの役割や位置付け、本県の住まいの現状や課題などをまとめた第1編と、第2編の県住生活基本計画、第3編の県高齢者居住安定確保計画、第4編の県賃貸住宅供給促進計画からなる。

 本県の住宅施策の基本指針は、目標に▽多様な居住ニーズに対応した「誰もが住みやすいとちぎ」▽安全で良質な住宅ストックを「未来につなぐとちぎ」▽「新たな日常」への対応と魅力の維持・向上、災害への備えを持つ「選ばれるとちぎ」-の3つを掲げる。

 このうち「誰もが住みやすいとちぎ」では、主な施策としてまず高齢者居住安定確保計画に基づき、持家からの住み替えニーズがあるサービス付き高齢者向け住宅の供給を促進する。供給目標は、20年度の4730戸から30年度末には7600戸とする。

 また住宅確保要配慮者についても県賃貸住宅供給促進計画に基づき、現状の公営住宅など公的賃貸住宅の対応に加え、民間賃貸住宅(セーフティネット住宅)の活用を促進する。登録住宅の供給目標量は、21年から30年度までの期間で1万7000戸としている。

 「未来につなぐとちぎ」としては、耐久性・省エネ性が高く維持管理しやすい長期優良住宅の普及や省エネ住宅の供給促進、上質な空き家の利活用などを図る。

 「選ばれるとちぎ」では、今回の新たな課題となる新型コロナ感染症対策や頻発・激甚化する自然災害を受けて、新たな日常への対応と魅力の維持向上、災害への備えを持つ災害に強い住宅の確保として住宅の改修や耐震性の向上などを掲げる。このほか、AIやIoTなどの新技術を活用した新しい住まい方の実現なども盛り込んだ。

 県住生活基本法に基づく公営住宅の供給目標は、現在、市町の2万2800戸の既存住宅の空き家募集の戸数と建て替え(200戸弱)の戸数をあわせ、21年度から30年度の10年間で1万5000戸・回の供給を目標量に掲げている。

 これら素案とその概要は、県のホームページからダウンロードできるほか、県民プラザや各地区の県民相談室で閲覧できる。意見の提出は県土整備部住宅課企画支援担当まで、郵送やファクス(028-623-2489)、電子メール(jyutaku@pref.tochigi.lg.jp)で提出する。

 なお、住宅マスタープランの見直しはこのあと、1月13日までの1カ月間パブリックコメントで県民からの意見を聴取し、その結果を踏まえて1月下旬に国土交通大臣との協議、2月下旬に有識者懇談会を開催して、3月下旬に3月に次期住宅マスタープランを決定・公表する。

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