足利市 渡良瀬川沿いに居住誘導 立地適正化計画案 図書館を長寿命化・複合化

[2021/12/11 栃木版]

 足利市は10日までに、計画期間を2022~45年度とする立地適正化計画の素案をまとめた。それによると、市中心部や渡良瀬川沿いに308haの都市機能誘導区域、2094haの居住誘導区域を設定。都市機能誘導施策では市民会館の移転や市立図書館の長寿命化・複合化などを実施し、居住誘導策では都市公園の再編・集約、市営住宅の更新・長寿命化・集約などを実施する。また交通では、東武足利市駅へのアクセス道路整備や鉄道駅の新設などを挙げている。

中橋架替で足利市駅アクセス道

 都市機能誘導区域は、市役所庁舎などを含む足利中央エリアと、同エリアから渡良瀬川を挟んで南側にある、市民プラザなどを含む山辺エリアをあわせ、面積308haを設定した。誘導施設について、足利中央エリアは▽市役所▽店舗面積1500平方m以上の食品スーパー▽銀行、信用金庫▽図書館、交流施設-を維持・強化する施設とし、病院はさらに誘導を図っていく。

 山辺エリアは▽行政サービスセンター▽病院▽銀行、信用金庫▽図書館、交流施設-を維持・強化する施設とし、▽子育て支援センター▽店舗面積3000平方m以上の大型商業施設▽店舗面積1500平方m以上の食品スーパー-はさらに誘導を図る。

 居住誘導区域は、都市機能誘導区域やその周辺、渡良瀬川沿いの鉄道周辺を中心に設定。市西部の葉鹿・山前・三重エリア、市役所庁舎などを含む足利中央・北郷・毛野エリア、市民プラザなどを含む山辺・御厨・梁田エリアの面積2094haをを設定した。居住誘導区域外では、一定規模の開発や建築行為は市への届出が必要になる。今後、区域外で生活利便性が向上する地域においては、区域への編入を検討する。

 都市機能誘導区域での都市機能誘導の施策について、国などの支援を受けて市が行うものは、一定期間内の医療、社会福祉、子育て支援等の都市機能の向上に資する公共公益施設の誘導・整備、防災力強化の取り組みなどへの支援のほか、土地区画整理事業を実施する。市は現在、大日西土地区画整理事業、中央土地区画整理事業、大日西住宅市街地総合整備事業を進めている。

 市独自の施策では、都市機能誘導区域外等での一定規模の開発行為や区域内で誘導施設の休止・廃止での届出制度、区域内で誘導施設の立地を想定する地域での商業系用途地域の見直しを実施。公共施設については、市民会館の移転や、市立図書館の長寿命化・複合化を挙げている。

 市民会館は、足利高校および足利女子高校が22年度に統合・共学化することに伴い、敷地を提供するため移転を計画。移転整備に向けては(仮称)新足利市民会館整備基本構想を策定し、各種会議で機能や建設候補地に必要な条件などを協議して、各種団体へのヒアリングや市民アンケートも行う。これら市民の意見を参考に、新市民会館の機能・規模や建設候補地を構想に盛り込む。

 市立図書館の長寿命化・複合化については、各種設備が老朽化していることから、26~35年度の期間に長寿命化のための改修工事、または周辺施設との複合化を行う。

 居住誘導区域での居住誘導の施策について、国などの支援を受けて市が行うものは▽山辺西部第一土地区画整理事業や山辺西部第二土地区画整理事業の推進▽都市公園ストック再編事業で、都市公園を再編・集約▽都市構造再編集中事業で、公共公益施設の誘導・整備、防災力強化に集中的な支援▽通学路の安全対策、橋梁・トンネルの点検および修繕、マンホールトイレや可搬式ポンプの設置、遊具の修繕-を挙げている。

 市独自の施策では▽空き家の解体・除却等による居住環境の向上▽木造住宅の耐震化促進(費用補助)▽市営住宅の更新・長寿命化・集約や、再編で生み出された用地の利活用▽橋梁やトンネル等の長寿命化▽生活道路の整備や通学路の安全対策▽春日市営住宅跡地における宅地分譲▽まちなか駐車場の整備▽足利学校や鑁阿寺周辺の景観維持に向けた、土地等の公有化▽低未利用土地権利設定等促進計画で低未利用地の区域を設定し、行政が地権者と利用権者をコーディネートして利活用を促進▽立地誘導促進施設協定(コモンズ協定)を活用した、低未利用地の有効活用▽中心市街地の遊休資産を店舗として活用する事業への補助-などに取り組む。

 公共交通で国などの支援を受けて市が行うものは、中橋の架替事業に合わせ、東武足利市駅へのアクセス道路となる都市計画道路を整備する。市独自の施策では、居住誘導区域内での鉄道駅の新設や地域公共交通計画の策定などを挙げている。

 防災の施策では▽道路等のインフラの長寿命化や耐震化の推進▽緊急輸送道路や減災ネットワーク道路の整備と耐震化▽スマートICおよびアクセス路の整備▽電線類の地中化の推進▽緊急車両通行のため、狭あい道路に面して建築する際の空き地確保や、道路拡幅▽河川の未改修箇所の改修▽重要な公共施設や居住を災害リスクの低い地域へ誘導▽農業用ため池、調整池等の防災工事や雨水流出対策▽アンダーパスにおける冠水対策、潅水情報掲示板やCCTVの整備、電気設備の地上化▽雨水幹線や側溝等の整備▽土砂災害の危険性の高い地域での砂防施設整備や急傾斜地対策等の推進▽土木施設構造物や建築物等の液状化対策の実施の検討-などを行うとしている。

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