現地で建て替えへ 被災した総合スポーツセンター体育館(千葉県)
[2021/12/4 千葉版]
千葉県教育庁は、房総半島台風により、屋根の一部が被災した県総合スポーツセンター体育館について、現地で建て替える方針を明らかにした。今後、競技団体など関係機関の意見を踏まえ、新体育館の基本設計や既存体育館の解体設計に着手したい考えを示している。
千葉市稲毛区の県総合スポーツセンター体育館は、房総半島台風により、屋根の一部が被災し、利用を休止している。県教育庁は今年度、整備検討に関する調査業務を協和コンサルタンツ(東京都渋谷区)に委託した。
同業務では、大規模修繕のほか、建て替えなども視野に入れて、今後の整備手法や概算工事費、整備スケジュールなどを検討。その結果、ライフサイクルコストやバリアフリー化への対応などの面で、現地での建て替えが最適と結論付けている。
体育館の構造・規模はRC造2階建て延べ7774平方m。1972年7月に完成した。築50年近くが経過し、施設全体の老朽化が進んでいる。収容人数はスタンド3104人、フロア2026人の計5130人。第1競技場と第2競技場で構成している。
房総半島台風により、屋根の一部が損壊したことを受け、修繕調査を実施。その結果、外部からの修繕ができず、内部に高い足場を組む必要があることや、工事により床面に歪みが発生し、全面張り替えの可能性もあることなどから、多額の費用が見込まれることが分かった。
このほか、一部で耐震性が不足していることや、バリアフリーへの対応など、被害箇所以外にも検討しなければならない課題が出てきた。このようなことを踏まえ、大規模修繕や建て替えなども視野に入れて、さまざまな角度から検討を進めてきた。屋根修繕調査業務は能城綜合企画設計事務所(千葉市中央区)が担当。
この体育館は、県内のスポーツ施設の拠点として、国体や高校総体など、多くの大会の競技会場として使用されてきた。房総半島台風により、屋根が大きく損壊し、利用休止を余儀なくされている。さまざまなスポーツ団体の大会に影響を及ぼしており、早急な対応が求められている。