庁舎整備で基本計画案 DB方式で延べ1.4万平方m 建設工事費78億円(市原市)
[2021/12/2 千葉版]
市原市は1日、庁舎等整備基本計画の素案を発表した。市役所第2庁舎など4施設について、現敷地で集約し、延べ1万4040平方m規模の新庁舎を整備する計画。免震構造を採用し、事業方式はデザインビルド(DB)方式が優位となった。庁舎建設工事費は78億円を概算。基本計画策定支援業務は山下設計・三菱総合研究所共同企業体が担当している。
素案では、庁舎の「分散整備案」と「現敷地での集約整備案」について、建物性能や庁舎機能、中長期コストの点から比較検討。その結果、集約整備案が優位となったため、集約整備を進めていく。
必要な庁舎規模は、市民スペース673平方m、議会用スペース1666平方m、執務室関係4525平方m、会議室771平方m、書庫・倉庫394平方m、共用6011平方mの延べ1万4040平方mを試算。新庁舎の構造形式は、想定される地震被害に備え、第1庁舎と同等の耐震安全性を備えるため、「免震構造」とする。
新庁舎の配置については、現敷地内の空地の中で比較的広いスペースが確保できるA駐車場とB駐車場を比較検証した。その結果、各庁舎の位置関係から、連携軸を意識しやすく、国分寺中央公園などの周辺施設も視野に入れ、敷地全体の利活用を図りやすい「B駐車場に配置する案」を基本とする。
この配置案における新庁舎のフロア構成を検討し、1階に窓口、2階に会議室、3階~4階に執務室、5階に議会、6階に書庫・倉庫・機械室、屋上に屋外機置場を配置することを例示している。具体的には今後の設計段階で検討していく。
移転計画をみると、まずB駐車場に新庁舎を建設する。新議会棟の解体後に市道1号線側に進入路を新設する。第2庁舎や議会厚生棟は、内装撤去後にアスベスト除去工事を施し、建物を解体。既存建物を撤去した後、外構整備とともに、各建物を接続するデッキを建設する。
事業費は、調査・設計費4億5000万円、庁舎整備費73億5000万円の計78億円を概算。関連事業費として、外構など6億6000万円、既存庁舎の解体費20億6000万円を見込む。
事業手法は▽従来▽ECI▽DB▽DBO▽PFI──などの方式について、事業条件や民間事業者の事業参画意向、ライフサイクルコストなどの項目で、定量・定性両面から検証。総合評価した結果、「DB方式」が優位となった。コンストラクション・マネジメント(CM)の活用などを検討していく。
2020年3月に策定した「庁舎等の将来的な整備方針」では、第2庁舎、議会厚生棟、エネルギーセンター、新議会棟を建て替えることにより耐震性能不足や老朽化への対策を行う方向性と将来的な庁舎像を示している。基本方針策定支援業務は千都建築設計事務所(千葉市美浜区)が担当。
基本計画の素案では、整備方針を踏まえ、市民や議会など関係機関の意見を聴きながら、庁舎整備に向けて新庁舎が備えるべき機能や規模、施設配置や事業手法などについて整理し、とりまとめた。この素案については22年1月7日まで意見を募集している。