壬生町 広場や利便施設を整備 庁舎跡地活用検討委 ひばり館に交流機能

[2021/11/30 栃木版]

 壬生町は29日、町役場で第9回町本庁舎跡地等活用検討委員会(委員長・三橋信夫宇都宮大学名誉教授)を開催した。この日は意向調査の結果報告のほか、調査を基にした新たな跡地利用のゾーニング図案を公表。公共機能で多目的広場、民間機能で生活利便施設などを整備するほか、ひばり館に交流など各種機能を盛り込むとしている。今後は年度内に基本計画を策定し、2022年度は庁舎の解体工事を行うほか、下期にプロポーザル方式で事業者を公募する予定となっている。

来年度下期に業者選定プロポ

 町では新庁舎を移転整備しているが、並行して新庁舎移転後の町役場本庁舎跡地を活用した活性化策についても検討している。跡地等活用の検討方針は、地域住民や観光客などが集うまちなか創生の拠点として活用し、既存施設と連携した取り組みを進め、中心市街地全体の活性化を図る。

 跡地利活用事業では、設計企業・建設企業・維持管理企業・運営企業・デベロッパーなどによるコンソーシアムを組成し、町と設計施工、指定管理、定期借地権等で契約を結ぶことを構想している。跡地利活用の概算事業費は、3億円を試算する。

 跡地の利活用は、民間事業者から商業施設を進出したいという提案が出たことから、さらに提案を募るため民間事業者の意向調査を実施。調査では一体的な土地利用や維持管理運営を想定し、不動産・リース系企業や維持管理・運営企業で、跡地利活用事業に関心のある企業を対象に調査を行った。

 この調査結果を基に、検討委はゾーニング図を作成。西側中央(A約1750平方m)を公共機能エリアとし、公共機能エリアを囲むように東西に広がるエリアを民間活力導入エリア(A約6640平方m)に設定した。公共機能エリアでは、蘭学通りからの入口をゲートとし、ゲート近くに駐車場エリア、駐車場北に駐輪場、エリア北に多目的広場を設置。多目的広場と駐輪場に挟まれるように、公共施設(現ひばり館)を設置した。

 民活導入エリアでは、南東に民間施設(生活利便施設)、他の空間は民間の駐車場とする。公共機能エリアの多目的広場と接する北西の駐車場は、相互連携による利活用を行うとしている。

 導入機能について、広場機能(公共機能エリアの多目的広場)には芝生広場(イベント開催スペース、設備の確保)や遊具などを配置する。今後は広場の利活用内容や、駐車場の駐車台数の面接の整理が必要となる。

 物販機能は直売所(地元産野菜など)やチャレンジショップ、飲食機能はコミュニティカフェやチャレンジショップ、業務機能は会議室やサテライトオフィス、福祉機能は子育て世代や地域の高齢者が集まれる場所、文化・交流機能はギャラリー、観光機能は観光案内所を盛り込み、これら機能はひばり館に導入する機能の具体化が必要だとしている。

 民間商業施設は生活利便施設をベースとし、公募で民間事業者が施設内容を提案する。この日はこのほか、基本計画策定前に不動産・リース系企業から再度アンケート調査を行って意見を聴取することや、公共スペースの利用の仕方を再度検討することを確認した。

 ひばり館の導入機能の配置パターンとしては[1]町民活動支援機能充実パターン(1階に研修・多目的スペースや相談コーナー・事務スペース、2階に会議室やサテライトオフィス)[2]日常的な居場所機能充実パターン(1階に子育て世代交流スペースや受付・事務スペース、2階にフリー・休憩スペースや会議・ミーティングスペース)[3]活動支援・チャレンジ機能充実パターン(1階にコミュニティカフェやチャレンジショップ、2階に会議室や相談コーナー・受付・事務スペース)[4]多様な交流機能充実パターン(1階にコミュニティカフェや観光案内所、2階に会議・ミーティングスペースや展示スペース・受付・事務スペース)-を挙げている。

 委員会では、[3]の案を推す意見が多く出た一方で、子育てのためのスペースも同案に盛り込むという意見も出ていた。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.