足利市や宇都宮国道など 準備段階調査に着手 足利SIC 第1回準備会を開催
[2021/11/27 栃木版]
本年8月に、国土交通省から「足利スマートIC」(仮称)が準備段階調査箇所に採択されたことから、国交省による準備段階調査を計画的・効率的に実施することを目的とした「(仮称)足利スマートIC準備会」の第1回会合が26日、足利市役所の会議室で開かれた。今回は、準備会の設立趣意やスマートICの検討概要について説明。このあと事業の具体化や調整を図り、整えば実施計画書を策定して国による新規事業化を目指していく。
「足利スマートIC」は、足利市が北関東自動車道の太田桐生ICと足利IC間に設置を計画し、8月6日に国交省から準備段階調査箇所に選定された。このあと、整備効果や設置位置、規模、整備費用、役割分担といった国直轄の調査を実施するにあたり、計画的かつ効率的な準備や検討を進めるため、足利市と国交省関東地方整備局、県土整備部、県警、NEXCO東日本で構成する準備会を設置した。
会議の冒頭、早川尚秀市長は「スマートICが整備されることで、地域振興、観光振興、災害支援、生活利便性向上、交通状況の改善、交流人口増加、移住・定住の促進などの波及効果が期待できる」との考えを示し、市も早期事業化への取り組みを推進し、1日も早くスマートICが利活用できることを祈念した。
国交省宇都宮国道事務所の井上啓所長も「国交省では高速道路の有効活用による利便性向上、地域交通の改善、地域経済の活性化に向けて、スマートICの整備を進めている。スマートICが設置されることで周辺の交通が円滑になり、産業拠点や観光施設へのアクセスが向上し、地域産業の活性化や観光振興が図られることを期待している」とあいさつ。その後、準備会の設立概意や足利スマートICの概要などを議題に協議を行った。
スマートIC事業はこのあと、準備会で概略検討(ICの社会便益および利用交通量、ICの位置・構造、周辺道路の整備計画など)や詳細検討(ICおよび周辺施設の詳細設計、整備費用および負担区分、管理・運営方法)を実施する。
準備会での検討や調整が整った後は、関係機関による地区協議会を設置し、実施計画書を策定して国などへ提出する。国は実施計画書に基づいて新規事業化し、ICの整備計画を決定するとともに、国から市や県へ連結許可を行い、ICの整備へと進んでいく。
足利市は、太田桐生ICと足利ICの間隔が約10kmもあるため、新たなスマートICの設置を計画。高速の利便性向上はもとより、アクセス道路整備による地域住民の利便性向上、災害に強いまちづくり、インター周辺開発による経済活性効果も期待している。準備段階調査の採択に係る支援業務はシーアイエス(宇都宮市)が担当した。市は早ければ22年度に事業化を図り、28年度の開通を目指している。