県財政課 処分場工事費を前倒し 12月補正予算案 一般会計に64億円追加
[2021/11/23 栃木版]
県は22日の記者会見で、12月補正予算案の内容を明らかにした。一般会計(第11号)は64億7216万円を追加し、本年度当初からの総額を1兆1078億3673万円とする。補正額のうち、63億4810万円は新型コロナウイルス感染症の対応分に充当。この補正予算案は、30日開会の県議会12月通常会議に提出する。
今回の補正では、新型コロナウイルス感染症に関し今後の感染拡大に備えるため、患者受入医療機関の入院病床や自宅療養者への支援体制の確保を図る。また、介護施設などでの感染防止対策を支援するほか、当面する緊急な課題に適切に対処するため編成した。
補正後の累計1兆1078億3673万円は、2020年度12月補正後の予算額1兆0724億7690万円と比べ3.3%の増加。新型コロナウイルス対応分は21年度だけで当初と補正をあわせ2899億3982万円を措置しており、19年度から21年度12月までの累計は5515億8040万円にものぼる。
主な事業費を見ると、環境森林部は県営最終処分場整備運営事業費に1億1904万円を追加した。那珂川町内に建設している県営管理型産業廃棄物最終処分場「エコグリーンとちぎ」で、遮水工事などを前倒すための補正となる。これにより事業費は、13億3157万円から補正後は14億5062万円となる。
「エコグリーンとちぎ」は、構造形式がクローズド(被膜)型で、事業区域面積が4万8312平方m、埋立容量は60万1860立方mで計画する。県は2017年12月に、PFI事業者のクリーンテックとちぎと契約。同社はクリーンテック(福島県)を代表企業に、熊谷組(東京都)とクボタ環境サービス(東京都)が出資した特別目的会社で、契約期間は17年12月18日から36年12月31日までとする。
内訳は、設計業務・建設工事業務が17年12月から22年12月まで、運営・維持管理業務が23年1月から34年12月まで、埋立終了後の管理業務が35年1月から36年12月まで、不法投棄物撤去業務(調査、設計期間含む)が17年12月から24年12月までとなっている。18年度は搬入道路工事に、本年7月には処分場本体工事に着手。なお、設計には建設技術研究所と安藤設計が参画している。
議会事務局は、議会のICT化のための環境整備に要する費用として501万円を予算化する。内訳は、タブレット端末導入費が313万円、アプリケーション等導入費が188万円となる。
新型コロナウイルス感染症対応分としては、医療従事者応援金に2億円、入院病床確保事業費に33億円、医療機関協力金に26億円の計61億円を追加して、医療機関の入院病床の確保を図る。
また、自宅医療者支援体制確保事業費に1億1000万円を追加して自宅療養者への支援体制の充実を図るほか、介護施設等感染防止対策継続支援事業費に5806万円、障害福祉サービス事業所感染防止対策継続支援事業費に2195万円を増額し、それぞれ継続的なサービスの提供を支援する。