NTTファシリティーズJVで基本構想 2022年度に基本設計へ 米山の公共施設複合化(宮城県 登米市)

[2021/11/20 宮城版]
 宮城県登米市は11月19日、公募型プロポーザルの手続きを進めている「米山地区公共施設複合化整備事業基本構想策定業務」の委託候補者に、NTTファシリティーズ(東北支店・仙台市若林区)と関・空間設計(仙台市青葉区)が結成したJVを特定した。総合支所や公民館、小学校などを複合化する「多世代交流拠点」の建設に向けて、2021年度中に基本構想を策定する。市は2022年度に基本設計業務を委託する方針だ。

 プロポーザルは11月1日まで参加表明を受け付け、2者が提案書類を提出した。11月17日にプレゼンテーションなどの審査を行い、81.7点を獲得したNTTファシリティーズJVを優先交渉権者に決めた。次点は66.1点を獲得した国際航業(東北支社・仙台市若林区)だった。

 市はNTTファシリティーズJVと見積もり合わせなどの協議を行い、月内に契約する見通し。委託料の上限を税込み790万6800円に設定している。履行期間は2022年3月31日まで。

 米山地区では米山総合支所をはじめ、公民館、体育館などの公共施設が老朽化している。加えて、少子化の影響で児童数が減少していることから、3つの小学校の統合が決まっている。

 公共施設の再編に当たり、市は市民を交えてワークショップなどを開催した。総合支所や公民館を複合化し、さらに小学校や児童館も一体的に建設することで、老若男女が幅広く利用できる「多世代交流拠点」を整備することにした。

 建設場所には道の駅米山や農村公園が隣接する米山総合支所周辺の敷地約2.2haを選定している。統合小学校の開校に間に合わせることから、2025年度末までの完成を目指す。

 現時点では民間事業者に実施設計と工事、完成後の維持管理を任せるDBO方式の採用が有力視されている。NTTファシリティーズJVに委託する業務では、基本構想の原案などをまとめてもらうほか、改めて整備手法を検討してもらう。施設のフロア構成やゾーニングの原案、概算事業費や整備スケジュールなどもまとめてもらう。

 多世代交流拠点の建設は現時点で、基本設計までを市が担当することになっている。2021年度末までに基本構想を策定後、市は2022年度に基本設計業務を委託する。委託者の選定方法は未定。仮にDBO方式を採用することになれば、2023年度中に事業者の公募および選定を行う見通し。

 市がワークショップを経て最適だと結論付けたDBO方式を採用する場合、事業費は31億2407万円と試算されている。

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