排水路更新計画を委託 名取川地区/サンスイコンサルに(阿武隈土地改良)
[2021/11/19 宮城版]
農林水産省阿武隈土地改良調査管理事務所は、名取川地区の事業計画検討業務をサンスイコンサルタント(仙台事務所・仙台市青葉区)に委託する。業務委託に当たっては、15日に一般競争入札を開札し、総合評価を経て同社が2550万円で落札した。この業務では、名取川地区で老朽化した農業用排水路2路線を更新するため事業計画概要案の作成などを行う。
更新対象の排水路は、境堀幹線排水路と、葉の木堀幹線排水路。境堀は名取市小塚原蟹穴~下増田寺野地区にあるRCの矢板護岸で、延長が1895m、幅が3.5~5m、高さが約1.6m。葉の木堀は岩沼市下野郷潮入~下野郷新田地区にあるコンクリートの柵渠護岸で、延長が2182m、幅が7~9m、高さが90cm。付属施設として1000mmの樋門ゲートなどが設けられている。
2路線とも大震災津波で被害を受けた一部区間は災害復旧事業で整備し直したものの、それ以外の手を付けていない区間が老朽化しているため、更新する。葉の木堀は既存のコンクリート積みやブロックなどが中抜けして空洞化しているため、打ち直すことを想定。2次製品は入れ替えることになる見込み。
事業計画検討業務は、国営造成施設緊急整備対策調査として委託する。業務内容は、土地改良事業計画の概要案を作成するほか、土地所有状況の把握、排水計画の精査、概略効果の算定、各種図面の作成、照査と点検とりまとめなどを行う。履行期間は2022年3月15日まで。
両排水路の更新に向けては、本年度に測量設計業務を若鈴コンサルタンツ(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。工事に必要な測量と実施設計をまとめる業務で、履行期間が2022年3月15日まで。
名取川地区は、1967年~85年の国営名取川土地改良事業により、排水機場4カ所、頭首工1カ所、防潮樋門1カ所、用水路6路線、排水路9路線などが整備された。受益面積は4450ha。
排水機場は大震災津波で被害を受けたため、全て災害復旧事業で直した。名取川頭首工は国営施設応急対策事業で大規模改修を進めている。復旧対象とならなかった用・排水路は老朽化している。