高潮対策など継続了承 柏北部中央区画整理128億円増(千葉県土整備評価審)
[2021/11/19 千葉版]
千葉県土整備公共事業評価審議会(会長・轟朝幸日本大学理工学部教授)が18日、県庁で開かれた。千葉港海岸船橋地区の高潮対策と柏北部中央地区の土地区画整理事業の再評価を審議した結果、事業を継続する対応方針案が了承された。柏北部中央地区では、事業の施行期間を6年延伸し、事業費を128億円増額することなどが報告された。
千葉港海岸船橋地区高潮対策事業は、再評価から5年が経過したため、再評価の対象となった。同地区では海岸保全施設の背後にゼロm地帯があり、市役所や消防署などの防災拠点や人口密集地域を抱えているため、大規模地震に対する施設の耐震化を含めた、かさ上げなどの改修を進めている。
排水機場4基、水門5基、護岸・胸壁約4.3kmを整備する計画で、事業費は272億円を見込む。1996年度に着工し、進ちょく率は17%となっている。
これまで前面護岸のかさ上げや、栄排水機場・水門の耐震化を実施済み。このほかの護岸や排水機場・水門の耐震化、船橋排水機場や海老川水門の建て替えを優先的に進め、2031年度の完了を目指す。費用便益比(B/C)は全体事業で23.6、残事業で36.7となっている。
柏北部中央地区一体型特定土地区画整理事業は、事業計画を変更することから再評価を審議した。鉄道と一体となった利便性の高い市街地の形成を目指し、県施行により、土地区画整理事業を進めている。事業面積は約273haで、2002年度に着工した。
地権者交渉が難航しているため、22年度末までの事業完了が難しくなった。残る事業について精査した結果、事業期間を6年延伸し、28年度までとする。
総事業費は建設コストの上昇などにより、約128億円増額し、約1091億円を概算している。また、土地利用計画について、従前の土地活用や所有状況にあわせ、区画4カ所を大型街区化する方針を示した。
事業の進ちょく率は事業費ベースで約70%、建物移転ベースで約88%、整備着手ベースで約86%。費用便益比は事業全体が2.1、残事業が3.2となっている。