宇都宮市 旧食肉市場に下水施設 公共施設管理計画 給食施設の整備計画策定
[2021/11/10 栃木版]
宇都宮市はこのほど、2021~25年度を計画期間とする公共施設等総合管理計画後期計画の素案を明らかにした。それによると、長寿命化や施設規模の適正化・廃止・集約・複合化などで、40年間の維持更新費を1兆0835億円から最大で8157億円まで圧縮できるという。施設ごとの方針は▽分団詰所の耐震化▽平出町トランジットセンターへの公園整備▽給食施設の整備計画策定▽文化会館の第2期大規模改修▽森林公園の再整備▽陽南プール、エコパーク板戸、横田清掃工場、南清掃センター、旧姿川地区市民センター付属体育館の跡地再利用の検討▽食肉地方卸売市場および食肉衛生検査場跡地の下水道施設への再利用-などを挙げている。
清掃施設跡地など再利用検討
消防局庁舎・消防署・分署は、大規模改修を基本としながら長寿命化のあり方を検討して計画的に整備し、消防緊急通信指令システムも更新。分団詰所は耐震化を計画的に実施するほか、上河内・河内消防団詰所整備方針に基づいて配置の適正化を実施する。
地区市民センター・生涯学習センターは、建て替えの場合には近隣施設への集約化や地域拠点内施設への移転も検討。市民活動・生涯学習センターは、建て替えの場合には地域拠点への配置を基本に再配置を検討する。中央・北・西の市民活動センターは22年度までに長寿命化手法などを検討し、23年度から検討を踏まえた対応を実施。出張所は22年度までにあり方を検討し、23年度から検討を踏まえた対応を行うとしている。
総合コミュニティセンターは、22年度までに機能や規模などの見直しを検討し、23年度から検討を踏まえた対応を実施する。地域コミュニティセンターのうち、整備後35年を経過しているものは長寿命化の手法などを22年度までに検討し、23年度から検討を踏まえた対応を行う。
(仮称)平出町トランジットセンターは、(仮称)平出町停留場周辺でPFI(Park-PFI)を活用した都市公園を整備する計画で、22年度に事業者を公募して設計・工事に着手する。
農業構造改善センターは、22年度まで用途廃止を含めた検討を行い、23年度から検討を踏まえた対応を実施する。農事集会所も22年度まで用途廃止を含めた検討を行い、23年度から検討を踏まえた対応を行う。下岡本農事集会所は地元自治会への移管、下田原農事集会所は用途廃止を含めて検討する。
学校施設は、効率的な維持管理で民間活力の導入を検討。給食施設は22年度に整備計画を策定し、23年度から整備を予定している。
サン・アビリティーズは、22年度まで規模・時期・手法などの老朽化対応の方向性を検討し、23年度から長寿命化を実施する。保健センターは、適切な時期に長寿命化を行う。夜間休日救急診療所は、23年度まで機能・規模の見直しなどを含めて長寿命化を検討し、24年度から検討を踏まえた対応を行う。保育所は民営化などを含め、保育ニーズや施設の老朽化度合いを踏まえた対応を進めるとしている。
図書館のうち、指定管理者制度未導入の施設は導入を検討。中央図書館は23年度まで大規模改修等を検討し、24年度以降に改修を行う。
文化会館は、21年度に佐藤総合計画(東京都墨田区)が2期改修工事の手法などの調査を行い、適切な時期に2期工事を実施する。美術館は現在、空調や照明LED化などの改修を進めているほか、23年度まで機能向上に向けた検討を行い、24年度以降に検討を踏まえた対応を実施する。
森林公園は再整備を予定しており、22年3月にも基本計画を策定する。道の駅「ろまんちっく村」は22年度までに官民の役割分担を整理し、23年度以降に施設改修と魅力向上への施設整備を行う。
プールや体育館の既存施設は改修のほか、改修の機会をとらえた施設の機能向上を検討。また、市北西部地域でも体育館および運動場の整備を計画している。陽南プールは廃止して、23年度以降に跡地利用を検討する。
宮原運動公園では、新たに野球場を整備する。フケタ設計(宇都宮市)が設計を担当し、公園再整備事業完了予定の24年度までに建設する。清原球場は23年度まで施設機能向上に向けた検討を行い、23年度から検討を踏まえた改修を実施する。
公営住宅のうち、宝木市営住宅は再整備事業を進めており、その他住宅も本年度に公営住宅等長寿命化計画を改定。22年度以降は計画に基づき、長寿命化などを進める。公園は、バリアフリー化や健康遊具の導入を検討するほか、統廃合などの配置や規模の適正化も検討していく。
清掃施設は、最終処分場のエコパーク板戸、し尿処理施設の東横田清掃工場、ごみ処理施設の南清掃センターの稼働終了後の敷地の利活用などの方向性を検討する。北山霊園管理事務所は、23年度まで長寿命化の手法や時期を検討し、24年度以降に改修や建て替えなどの整備を行う。公衆トイレは、22年度までに調査や再整備の方向性の検討などを行い、23年度以降に統合・廃止などの再整備を実施する。
市営駐車場は、23年度まであり方や必要性を検討し、24年度以降に検討を踏まえた対応を実施。自転車駐車場は、LRTトランジットセンターや停留場付近へ整備する。競輪場は、センタースタンド、競争路、選手宿舎等の改修などを進める。
中央卸売市場は再整備事業を進めており、賑わいエリアについては新幹線高架下方面にある関連商品エリアを解体し、跡地に民間活力を活用して整備を計画。23年度までに関連商品エリアを解体し、24年度以降に跡地整備を行うとしている。
食肉地方卸売市場および食肉衛生検査場跡地については、下水道施設での利活用に向けて検討しており、23年度以降に検討を踏まえた対応を行う。旧姿川地区市民センター付属体育館跡地は23年度まで敷地利活用を検討し、24年度以降に検討を踏まえた対応を行う。
河川構造物は、本年度に長寿命計画を策定して22年度から計画的な維持修繕を実施する。下水道施設は、下川原水再生センターの汚水処理機能を川田水再生センターに統合する。農業集落排水施設のうち、下平出・平出・柳田の3地区は25年度を目途に公共下水道への接続を目指し、管渠の修繕工事を実施する。