建設候補地2案検討 文化ホールの建て替え(習志野市)
[2021/11/10 千葉版]
習志野市は、習志野文化ホールの建て替え候補地として、JR津田沼駅南口と旧庁舎跡地の2案を想定、検討を進めている。類似施設(延床面積9000平方m)に関する調査では、事業費として津田沼駅南口は116億円8083万円、旧庁舎跡地は79億2000万円となる見込みだ。2022年1月27日に予定している次回以降の「習志野文化ホール再建設基本構想等検討専門委員会」で事業手法を提示するなど、同委員会の意見を踏まえ基本構想を策定することにしている。
策定中の基本構想案では、2案の長所や短所、課題を整理している。
現在地で建て替える「JR津田沼駅南口」案については、長所として「音楽のまち習志野」の象徴として市の表玄関である津田沼駅前に存続できること、駅前という魅力的な立地環境や交通利便性、同市最大の商業エリアにおける賑わい創出など経済効果を指摘。
短所には保留床取得による財政圧迫、工期設定などにおける民間事業の影響、再び商業施設を建て替えるなど将来予測の困難さをあげている。
一方、旧庁舎跡地の長所としては市内各地域からの交通利便性、工期の柔軟な設定と短縮、市の意思による自由な改修・建て替え、保留床取得が不要なため事業費の低減などが見込めると分析。
短所には、駅前直近という好条件の消滅による興行誘因条件の低下、駅前の象徴としてのホール消滅、新たな都市計画の決定など関係機関との協議・調整が必要なことをあげている。
このほか基本構想案では、“音楽のまち習志野”を象徴する施設として再建、音の響きを重視した多目的ホールとして約1500席の、誰もが利用しやすい施設を目指す方針などを示している。
津田沼駅南口エリアでは、野村不動産が複合商業施設「モリシア津田沼」一帯を再開発する構想を同市に提案。同建物と合築、市が区分所有権ならびに借地権および使用借権を持つ習志野文化ホールについても、整備に関する検討が必要となっている。
現習志野文化ホールは、26億円余を投じて第3セクター方式で建設。1978年に竣工した。延床面積は9903平方m。客席数は1475席。