県都市整備課 2公園程度で導入 Park-PFI 年度内に基本構想策定

[2021/11/3 栃木版]

 県都市整備課は2日、宇都宮市内で第1回の「県都市公園民間活力導入基本構想策定委員会」(委員長・青木章彦作新学院大学女子短期大学部教授)を開催した。県は8つの都市公園のうち2公園程度でPark-PFIの導入を目指しており、この後サウンディング調査やアンケート調査を実施し、本年度内にも基本構想を策定する。順調にいけば、22年度下半期ごろに公募設置等指針を公表し、23年度にはPark-PFI事業の基本協定を締結して事業者の計画を認定する。

 県では県営都市公園の魅力向上のため、公募型設置管理制度(Park-PFI)をはじめとする民間活力導入を検討しており、本年度は各公園のコンセプトや民間活力導入の実現可能性を踏まえた適性を評価して、民間活力導入の基本構想を進めている。今回は専門的な意見を聴取するため、第1回県都市公園民間活力導入基本構想策定委員会を開催した。

 本県では、1952年に宇都宮市にある県総合運動公園を開設し、以降も井頭公園、鬼怒グリーンパーク、県中央公園、那須野が原公園、みかも山公園、日光田母沢御用邸記念公園、日光だいや公園、とちぎわんぱく公園の計9カ所の都市公園を整備して管理・運営してきた。今回はこのうち、日光田母沢御用邸記念公園を除く8公園を対象に、Park-PFIの導入を検討する。

 議事に先立ち、県公園事務所の笹沼政行所長は 「都市公園は都市の根幹的施設で、多くの人々に利用されているが、近年は利用者のニーズが多様化する中、施設の老朽化も進み、その魅力を十分に発揮できていない。このため県は、都市公園の魅力をより高めるため、民間活力の導入に向けた検討を行う目的で本委員会を設置した」と説明し、各委員からの忌憚のない意見を求めた。

 引き続き、委員の互選で青木委員長を決定。青木委員長は「民間の活用ということで、Park-PFIを念頭に置きながら進めていく。一番のポイントは、都市公園の賑わいをいかに増やしていくかであり、皆さんの知見を集約してより良い提案ができるようにしたい」とあいさつした。

 議事は、▽民間活力導入に係る基本構想策定に向けた業務フローについて▽民間活力導入に係る基本構想について▽サウンディング調査の実施計画について▽アンケート調査の実施計画について▽民間活力導入に係る公園の評価基準について-の5項目を審議した。

 このうち民間活力導入に係る基本構想策定に向けた業務フローは、民間事業者への事業発案に係るサウンディング調査を11月から2週間程度実施し、その後12月から2022年1月にかけて公園の評価を実施する。

 その結果、Park-PFI導入の適性が高いと判断された公園は現地調査や公園利用に係るアンケートを実施し、並行して22年1月から3月にかけて基本構想を作成。同3月には、公募設置等指針の素案の作成へと進めていく。

 民間事業者への事業発案に係るサウンディング調査の実施計画は、県営都市公園8公園を対象に民間活力導入の可能性や公園の魅力向上に関するアイディア、およびPark-PFI手法での参画意向を把握することを目的に実施する。

 調査方法はウェブアンケート形式を採用し、11月15日から30日までの約2週間半の期間で調査を行う。民間活力導入が可能な公園やPark-PFI導入の可能性を調査するほか、さらに踏み込んで民間事業者への事業発案に係るサウンディング調査も実施する。

 公園利用に係るアンケート調査は、栃木県民を対象にウェブアンケートを実施して、600サンプルを収集する。期間は12月から22年1月のうち2週間程度を想定。公園の利用状況や利用ニーズ、民間から提案があったアイディアの賛否などについて調査する。

 公園の評価基準は、8公園のコンセプトや課題、各種調査の結果を踏まえ、特にPark-PFI導入の適性を評価する。収益事業への参入意欲やコンセプトとの整合性、市場性、公園の課題との整合、公園利用実態との適合性など7項目についてABCの3段階で評価し、配点に基づき採点して評価する。

 これら事務局からの説明に対し、委員からは「民間事業者からのアンケートの取り方を工夫し、質問内容を精査しないと、事業者が手を挙げるのは荷が重いと感じてしまう」や「県がPark-PFIについてどう取り組むのかのスタンスを明確化しないと事業者も参入が難しい」といった意見も出ていた。

 さらには、「現在の指定管理者制度とPark-PFIとの関係は」などの質問や、「評価を事務局で数値化して評価する以外にも、委員が評価する方法もある」などの意見も出た。事務局はこれらの意見を踏まえ、改めてサウンディング調査やアンケート調査の調査方法や設問内容などを見直し、評価方法についても改めて検討すると返答した。

 なお、22年度以降のスケジュールは、22年度上半期ごろにPark-PFI導入公園の事業化検討に係るサウンディング調査を実施し、同下半期ごろにPark-PFI事業に係る公募設置等指針を公表する。23年度にはPark-PFI事業の基本協定を締結し、事業者の計画を認定するとしている。

 委員会は、民間事業者への事業発案に係るサウンディング調査後に実施する公園の評価の際の12月か22年1月にも第2回委員会を開催し、公園の民間活力導入可能性の評価案を審議する。第3回委員会は22年3月にも開催し、基本構想案について審議する。

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