官民で経営課題克服 関東整備局と意見交換(千建協)

[2021/10/30 千葉版]

国や県の発注者らと直接意見交換

国や県の発注者らと直接意見交換

 県建設業協会(高橋順一会長)と、国土交通省関東地方整備局(若林伸幸局長)のほか本県県土整備部や千葉市も参加する、2021年度の意見交換会が29日、千葉市内で開かれた。同協会側から理事ら役員、発注者側もそれぞれ幹部が出席する中、強靭化加速化対策予算の増額や監理技術者の専任条件緩和、週休2日制下での賃金確保などへの要望と、これらに対する回答などで活発に意見が交わされた。

若林局長

若林局長

 会冒頭、あいさつした若林局長は、国が新政権に移行し、さっそく補正予算編成の指示があったとし、その作業を進めていることを明かすとともに、その環境に当たって受発注者が話し合って改善が進むことに期待感を示すなどした。

池口部長

池口部長

 県土整備部からも池口正晃部長があいさつ。2年前の台風による災害対応をはじめ、今年も地震や大雨の発生時に出動した同協会の活躍に感謝の言葉を述べ、県としても担い手確保や生産性向上に向けて取り組んでいくことに意欲を示した。

 これらを受けて高橋会長は、自然災害が局地化かつ激甚化する中「どれだけ時間やお金を使って強靱化させても、万全の備えでなく、国土と住民の安全を守る建設業界の役割は日々大きくなっている」とする一方、コロナ禍で民間工事の中止または先送りなど、厳しい状況が続いると前置き。

高橋会長

高橋会長

 高橋会長は「この状況でも地域建設業は、自然災害から安全・安心を守る地域の守り手としての使命とともに、経済活性化のため、建設投資による内需創出により健全で安定した経営の確保・継続が必要」だとし、引き続き国土強靱化対策に対する予算が受け入れられたことを喜ぶ一方、意見交換が地域建設業の役割を伝えるいい機会だとその成果に期待を込めた。

 議事ではまず、国側からの取り組み説明として、21年度上半期の予算執行状況のほか、とくに土木工事に伴う電子書類化に向けた「スリム化ガイド」の改定内容を紹介。作業軽減化に向けた国の施策に理解を求めた。

 この後、前年度に受けた意見・要望に対して、整備局が対応状況を報告。21年度から全ての本官工事と当初の予定価格が3億円以上の分任官工事を対象に、条件を明示したチェックリストを公告時に公表することを試行しているとしたほか、労務単価の引き上げ、また、原則全工事での施工のスムーズ化に向け、着工前に住民合意などの進ちょく状況を踏まえた、工程表の開示を始めたことなどを例示した。

 この意見交換会は官民が会し、県内建設業者の受注機会確保や入契手続き、総合評価方式のあり方、現場管理や工種・工程の各段階での問題など、双方が抱える諸問題の改善に向けて意見を交換するのが目的。例年整備局が管内各都県を回りながら開催されている。

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