約3.7億円で渋谷商事 名取が丘の市有地売却 戸建て住宅地に開発 (宮城県 名取市)
[2021/10/23 宮城版]
名取市は21日、名取が丘1丁目の市有地の売却先を決めるため一般競争入札を開札し、最高価格3億6539万9000円で応札した渋谷商事(名取市)を落札決定した。売却最低価格は2億3400万円だった。用地の面積は約8900平方mで、戸建て住宅の分譲用地として開発してもらう。売買契約は市議会の議決をもって本契約となる。12月末ごろとなりそうだ。土地の引き渡しは2022年3月を予定している。
21日の入札には渋谷商事のほか、アドレス、成和産業、みつば、細田工務店の4社が応札した。落札した渋谷商事は地元名取で不動産業を営む。
今回の売却対象物件は、市営名取団地の跡地となる名取が丘1-100-13の8885平方m。市中央部に位置し、東北新幹線と県道258号線に挟まれたエリアで、周辺には住宅団地が形成されている。用地の用途地域は第一種中高層住居専用地域で、指定建ぺい率が60%、指定容積率が200%となる。
この用地は移住・定住促進などを図るため、戸建て住宅分譲用地として開発する。土地の代金支払いや引き渡しは22年3月を見込んでおり、現状有姿で引き渡す。造成工事は23年4月1日までに着手、開発完了は25年3月31日までを目指してもらう。
なお、用地北側に接する幅員6m(アスファルト舗装)の道路整備も事業者が行い、23年3月31日までに市に帰属させる。また敷地北東に耐震性貯水槽(地下式.40立方m型)1基なども設置し、市に寄付する。
元の市営名取団地は、敷地面積約1.4haと広く、同市の市営住宅でも大きい団地だった。築50年以上を経過し、著しい老朽化のため用途を廃止。18~20年度にかけ簡易耐火構造の住宅16棟や集会場などの解体を進めた。
今回の売却用地以外の残地は、引き続き公共用地として管理する。一部については、近くに宮山古墳などもあることから、約1100平方mを駐車場、約1000平方mを公園として活用を想定している。具体的な整備は来年度以降となりそうだ。