県市町村課 普通建設費は1339億円 県内25市町 昨年度の普通会計決算

[2021/10/23]

 県は22日までに、県内25市町の2020年度普通会計決算の概要をまとめた。歳入総額は対前年度比31.0%増の1兆1217億7500万円、歳出総額は32.4%増の1兆0793億9900万円で、ともに1兆円を超え過去最大の規模となった。いずれの団体も、新型コロナウイルス感染症対策関連経費の影響で歳入・歳出ともに増加したことが主な要因となる。歳出のうち、性質別の普通建設事業費は1339億8800万円と、小山市の新庁舎整備事業費の増などで前年度に比べ122億8300万円(10.1%)増加。災害復旧費も、東日本台風からの復旧などで前年度から58.2%増の134億5900万円となっている。

 決算規模はこれまで、歳入・歳出ともに数パーセント程度の増減で推移してきたが、今回はいずれも30%を越える大幅な増加となった。この主な要因は、特別定額給付金給付事業費や地方創生臨時交付金など、新型コロナウイルス感染症対策関連経費の増によるものとなる。

 決算の状況は形式収支(歳入総額-歳出総額)、実質収支(形式収支-翌年度に繰り越すべき財源)ともに全団体が黒字で、実質収支は全市町合計325億円。黒字額は、前年度と比較して60億円の増加となっている。なお、単年度収支は5団体が赤字、実質単年度収支は7団体が赤字となった。

 歳入は、前年度から国庫支出金や地方債、諸収入などが増加し、地方交付税や繰入金、地方税などは減少した。なかでも国庫支出金は、特別定額給付金給付事業費補助金が1965億7900万円、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が196億0400万円の増などで、前年度から2350億円(185.4%)の大幅な増加となっている。

 また、地方債は小山市の新庁舎整備費の増などで172億円(24.3%)の増、諸収入は宇都宮市の中小企業事業資金貸付金元金収入の増などで128億円の増。地方交付税は宇都宮市の新中間処理施設等建設事業の減などで、62億円(6.6%)の減などとなった。

 一方の歳出は、目的別で見ると総務費、商工費、教育費などが増加し、衛生費、農林水産費、公債費などが減少した。総務費は特別定額給付金給付事業費の増、商工費は宇都宮市の新型コロナ感染症緊急経済対策実行委員会交付金の増など、教育費はGIGAスクール構想関連教育機器等整備事業の増と、いずれも新型コロナウイルス感染症対策に関連した経費の増によるものとなる。

 また、衛生費は宇都宮市の新中間処理施設等建設事業費の減など、農林水産費は高根沢町の道の駅たかねざわ整備事業費の減などが影響した。

 歳出を性質別でみると、補助金等、普通建設事業費、貸付金が増加し、繰出金と公債費は減少している。普通建設事業費は補助費、単独事業費とも増加し、全体で122億8300万円(10.1%)増の1339億8800万円と4年連続して1000億円台をキープした。災害復旧費と合わせた投資的経費も、172億3400万円(13.2%)増の1474億4700万円となり、全体の構成比は13.7%を占めている。

 財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、前年度から1.4ポイント減少し89.2%。3カ年平均の数値を示す実質公債費比率は0.3ポイント減少し、5.5%となる。早期健全化基準となる25%以上の団体や、起債にあたり許可が必要となる18%以上の団体ともに該当はなかった。

 地方債現在高は前年度から3.7%増の6375億円と、昨年度に引き続き増加した。このうち臨時財政対策債は、3年連続で減少している。財政調整的基金などの積立金現在高は、0.9%減少して1825億円となっている。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.