住宅4200戸の耐震促進 建築物耐 震計画案 市施設は9棟が対象 佐野市
[2021/10/16 栃木版]
佐野市は15日までに、2021~25年度を計画期間とする市建築物耐震改修促進計画(三期計画)をまとめた。同計画によると、25年度の耐震化率について、住宅や地震時に通行を確保すべき道路に面する建築物は95%を目指し、多数の者が利用する特定建築物や市有建築物は耐震化の完了を目指す。市有建築物については、9棟の耐震化を図る。
住宅は約4万6700戸のうち、耐震性があるものは20年度末において約3万9200戸で、耐震化率は84%。多数の者が利用する特定建築物は286棟のうち、耐震性があるのは20年度末において255棟で、耐震化率は89%となる。このうち学校の5棟、病院・診療所の2棟、社会福祉施設の15棟、賃貸共同住宅の15棟、その他施設の24棟については、耐震性が無いまたは未確認となっている。
地震時に通行を確保すべき道路に面する建築物は、184棟のうち耐震性があるのは20年度末において134棟。このうち旧耐震基準の建物は、1次緊急輸送道路沿いが2棟、2次緊急輸送道路沿いが50棟、3次緊急輸送道路沿いが28棟となっている。
市有建築物で特定建築物(多数の者が利用する等)は110棟のうち、病院・診療所1棟・社会福祉施設1棟で耐震性が無く、耐震化率は98%。防災上重要な建築物は67棟のうち、避難拠点6施設・医療活動拠点1施設で耐震性が無く、耐震化率は90%となっている。
住宅について、25年度には総数が約4万8300戸、このうち耐震性のある住宅が4万5900戸になると推計。市は目標達成に向けて、約4200戸に対して耐震化を促進する施策を講じるべきとしている。
多数の者が利用する建築物は、25年度には総数が286棟、このうち耐震性のある建物が259棟になると推計しており、市は目標達成に向けて、27棟に対して耐震化を促進させる。
地震時に通行を確保すべき道路に面する建築物は、25年度には総数が184棟になると推計しており、目標達成に向けて174棟の耐震性を確保する。市は、耐震改修を促進する施策を検討するとしている。
耐震化を促進するための施策としては▽県建築士会や県建築士事務所協会等の協力を得て、建築物所有者等が知りたい情報の整備▽耐震アドバイザー派遣や工事現場の活用など、普及啓発を実施▽耐震診断、耐震改修、耐震建て替え、危険ブロックの除却などで助成-などの各種支援・周知などを実施する。
地震時の安全対策としては▽外壁、窓ガラス、ブロック塀等の落下・倒壊防止対策の周知や改善の指導▽天井脱落対策について改善の指導を行うほか、市有建築物は特定天井の脱落防止対策を実施▽エレベーターやエスカレーターの脱落防止対策の新基準の周知および改善の指導-なども挙げている。