船橋地区事業化を要望 港湾整備で国交省と意見交換(熊谷知事)
全国港湾知事協議会(会長・仁坂吉伸和歌山県知事)は8日、国土交通省との意見交換会を開いた。熊谷俊人知事は県庁からオンライン方式で参加し、千葉港海岸船橋地区における海岸保全施設の整備促進に向け、直轄事業による2022年度の新規事業化などを強く求めた。
この協議会は港湾が所在する全国40都道府県の知事らで構成。例年、都内で開催していたが、今年度は新型コロナウイルス感染症拡大を防止するため、会場とオンラインの併用開催となった。
意見交換で熊谷知事は▽千葉港海岸船橋地区における海岸保全施設の整備促進▽千葉港港湾計画に基づく埠頭再編の推進▽銚子市沖洋上風力発電事業に係る名洗港の整備促進──の3項目を要望した。
ゼロm地帯を抱える千葉港海岸船橋地区では、高潮から防護する海岸保全施設の多くが昭和40年代に築造されたため、老朽化・耐震化対策を早急に進める必要があると指摘。日の出護岸、日の出胸壁、海老川水門、船橋排水機場の4カ所について、直轄事業による新規事業化の必要性を訴えた。
千葉港千葉中央地区では、20年度に直轄事業として着手した出洲埠頭D岸壁(水深9m)や千葉中央防波堤の早期整備を要望した。大規模で高度な技術を必要とする大水深岸壁の千葉中央埠頭EFGH岸壁(水深12~14m)について、直轄事業による早期事業化を求めた。
20年7月に銚子市沖が再エネ海域利用法に基づく促進区域と指定されたため、洋上風力発電事業のメンテナンスなどで利用が見込まれる名洗港について、整備に必要な予算の確保を要請した。
斉藤鉄夫国土交通相はビデオメッセージで、「皆さんから出された要望を踏まえ、22年度予算の確保や、さらなる港湾振興に向けて、しっかり取り組んでいきたい」と力強く語った。