除雪の手当割増要望 東北整備局と意見交換(東北建協連ら)
[2021/10/8 宮城版]
意見交換会には連合会と品確・安全協から千葉会長ら20人、同局から稲田雅裕局長ら13人が出席。働き方改革の推進や生産性向上などについて非公開で話し合った。
あいさつで稲田局長は、東北ブロックにおける社会資本整備重点計画を策定し、8月末に発表したことを報告。今後5年間で取り組む地域づくりのプランとして、社会資本整備事業の完成予定年度や事業費なども可能な限り盛り込んだことを伝え、それを見れば今後に地域建設業の活躍できる場面がどれくらいあるか分かってもらえると話した。その上で、働き方改革や生産性向上などに向けて「受発注者が連携しながら総力を挙げて取り組む必要性がある」と述べた。
千葉会長は、防災・減災、国土強靭化のための5カ年加速化対策を着実に進めることが重要で、来年度以降も当初予算とは別枠で事業費を確保する必要があると発言。さらに、コロナの影響で落ち込んだ景気の回復に向けた大型補正予算や、東北地方整備局の当初予算額として4000億円程度を確保することが必要と訴えた。
除雪作業の手当てなどに関する要望では、働き方改革促進法による罰則付き時間外労働規制が差し迫る中で、土日・休日の除雪作業については、作業実態に合わせて休日手当などの割り増しを行うよう求めた。
このほか▽除雪トラックと凍結防止剤散布車の運転手を一般運転手でなく特殊運転手に定義変更すること▽除雪の待機について実態に合うよう一班7~8人の補償を行うこと──を要望した。
意見交換では、この要望内容に関して整備局が回答。土日・休日の作業日は別の日に振り替えることで休日を確保できるとの認識を示しつつ、待機補償とともに要望内容を国交省本省の上部機関に伝えると答えた。
運転手の定義については道路交通法などに基づいて行っているため、変更が難しいとしつつ、除雪トラックの大型化や操作機能の煩雑化といった実態を国交省本省の上部機関に伝えて検討したいと答えた。
働き方改革の話題では、連合会らが4週8休に向けて取り組む場合、週に働ける日数が6日から5日に減るため、その分だけ工期を確保するよう求めた。特に地方自治体の工事が直轄と同じように週休2日を実現できるような形になるよう働きかけを要望した。整備局は発注者協議会を通じて自治体に周知することを請け合った。
建設キャリアアップシステム(CCUS)の取り組みでは、同局が本年度も宮城と福島を対象にC等級の一般土木工事でCCUS活用推進モデル工事を実施予定であることを伝えた。
生産性向上の話題では、連合会らがBIM/CIMに取り組むための初期投資が高額になるため、補助で支援するよう要望した。
意見交換の総括で稲田局長は、各建設業団体の生の声が聞けて非常に参考になったと話し、上部機関に上げないと実現できない事項があるものの、生の声とセットで一つ一つの要望が実現できるように努める考えを示した。