日建設計総合研に委託 新給食センター基本計画(柏市)
[2021/10/6 千葉版]
柏市は、学校給食センター基本計画(PFI等導入可能性調査)策定業務を日建設計総合研究所(東京都千代田区)に委託した。一般競争入札で選定を進め、予定価格955万0636円に対して落札額は423万5000円(税込み)。同社が支援策定を担当した「柏市学校給食将来構想」をふまえ、基本計画の作成に着手する。履行期限は2022年3月18日まで。将来構想では、老朽化が著しい公設民営の学校給食センターを最優先に、市内に4つの共同調理場を新設する方針を示している。
学校給食センターは、1978年に竣工。2階建て1082平方m。敷地面積は5115平方m。想定調理能力食数は1日当たり約5000食(2回転調理)。提供校数は11校。調理方式はウェット施設・ドライ運用。築43年が経過するなど老朽化が著しく、給排水設備が耐用年数を超過、安全面・衛生面での早急な改善が求められている。
基本計画作成にあたっての業務は▽策定の目的▽柏市学校給食における基本的事項の整理▽施設前提条件の整理▽事業スキーム(PFI等導入可能性調査)──。
市では、旧柏地域の小中学校51校と風早南部小学校は自校方式(単独調理場方式)により、旧沼南地域の小中学校11校はセンター方式(共同調理場方式)により学校給食を提供している。しかし、施設・設備ともに老朽化が進行、旧沼南地域では、自校方式の検討も求められている。また、「学校給食衛生管理基準」の施行により、衛生管理についても解決すべき課題が多く存在している。そこで、将来にわたり、安全・安心でおいしい学校給食を提供するため、学校給食のあり方を検討、今年3月に「学校給食将来構想」をとりまとめた。
対象校は小学校42校、中学校21校の計63校。
将来構想では、ドライシステムを導入したモデルプランを設定。各学校への導入を検討したことろ、単独調理場を整備できる可能性は、旧柏地域と旧沼南地域のどちらの地域も学校敷地が狭く、限定的だった。
また、自校方式(ケース1・2)とセンター方式(ケース3)の、60年間のライフサイクルコストを比較したところ、約1338億円~約1648億円となり、4つの共同調理場を整備する「ケース3」が最も小さかった。
ケース3では、財政負担の平準化に配慮して、各共同調理場を5年ごとに開設。既存の単独調理場は最寄りの共同調理場の整備に合わせて移行する。4施設の延床面積は1万5652平方m。給食数は計3万食。
これらの結果を踏まえ、センター方式(ケース3)が合理的かつ効率的と結論。自校方式のメリットを取り入れながら、センター方式で再整備することが望ましいとしている。