防潮水門 更新を構想 宮城県 山元町の高瀬川排水路 検討業務をプロポ(阿武隈土地改良)

[2021/10/5 宮城版]
 農林水産省阿武隈土地改良調査管理事務所は、山元町内にある高瀬川排水路の防潮水門について、更新に向けた整備構想検討業務を簡易公募型プロポーザルで委託する。国営造成施設緊急整備対策調査として4日付でプロポの手続きを公告した。15日まで参加表明書、25日~11月15日に技術提案書を受け付け、審査を経て同26日に委託候補者の特定結果を通知する。

 高瀬川排水路の防潮水門は、1962年に国営亘理農業水利事業で建設された。鋼製2段式ローラーゲートで3門が備わっている。2段のうち、上段は純径間(幅)が7.9m×高さが0.77m、下段は幅が7.9m×高さ1.77mの規模。下流側に隣接して管理用道路の橋が架かっている。

 同町山寺地区で、高瀬川排水路と鷲足川排水路が合流する地点よりやや東側に位置している。下流側には牛橋防潮水門があり、そこから仙台湾の海に注いでいる。

 既存の防潮水門は農地への海水(溶けた塩)の侵入を防ぐ水位調整などを行っている。すでに建設から60年近くが経過し、老朽化している。海岸部に近いこともあって塩害による戸当りの腐食や変形、巻き上げ機の塗装の剥がれなどが見られる。

 整備構想検討業務では、昨年度に行った機能診断の結果を踏まえ、更新方法を検討する。仮に全面改築となる場合は、新たな防潮水門の設置場所なども検討する。業務の履行期間は2022年3月14日まで。年度内に構想をまとめて方向性を定めたい考え。

 プロポの参加資格は、東北農政局から測量・建設コンサルタント等がA等級で建設コンサルタントの資格認定を受けていることなど。参加資格者の選定結果は22日に通知する。

 昨年度の機能診断業務はジルコ(東北支社・仙台市青葉区)が担当した。防潮水門の管理は亘理土地改良区が行っている。

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