台風16号 建設業が復旧に全力 土砂の撤去や倒木処理

国道465号で法面から崩落した土砂などを撤去 (君津市西粟倉地区)

国道465号で法面から崩落した土砂などを撤去
(君津市西粟倉地区)

[2021/10/5 千葉版]
 大型で強い台風16号が1日、関東地方に接近した影響で、千葉県内では暴風や大雨となり、君津市で道路法面の崩落、いすみ市で住家の床上浸水などの被害が発生した。地元の建設業者は「地域の守り手」として、土砂の撤去や倒木の処理など、復旧作業に全力で取り組んだ。

 台風16号は、本県の東方沖を通過し、銚子市で瞬間最大風速41mを記録。県は、警報の発令や暴風域に入ることが見込まれることから、午前4時17分に災害即応体制に移行し、午前10時50分に災害対策本部を設置した。

 県土整備部では、各土木事務所の職員がパトロールを実施。県建設業協会(高橋順一会長)の各支部は、協定に基づき、被災状況の確認や道路の通行止め、応急復旧などの対応に当たった。

 君津土木事務所管内では、国道465号の君津市西粟倉地区で道路の法面が崩落したため、全面通行止めとなった。君津支部の平田工務店(君津市)が法面から流出した土砂や竹木を撤去した。

 夷隅土木事務所管内では、降雨量が基準を超えたため、夷隅支部が通行止めの看板を設置。県道天津小湊夷隅線を丸一建設(勝浦市)と目羅組(いすみ市)、県道勝浦布施大原線を丸一建設と鈴木工業(御宿町)、国道128号を大森組(勝浦市)、県道小田代勝浦線を佐久間建設(勝浦市)と山本建設(大多喜町)、県道勝浦上野大多喜線を伊藤工務所(勝浦市)、国道465号を山本建設、県道大多喜里見線を仲潮組(大多喜町)がそれぞれ担当。国道297号の勝浦市新戸地区では、倒木により、通行止めとなったため、伊藤工務所が対応した。

 このほか、いすみ市の佐室地区では、普通河川佐室川や二級河川落合川から越水し、床上浸水などの住家被害が発生。いすみ市道では、国府台など5地区で倒木により、全面通行止めとなった。

 銚子土木事務所管内では、銚子市猿田町地区の県道銚子旭線が倒木で通行できないと地元住民から通報があり、銚子支部の小林建設(銚子市)に出動を要請。同じく電柱が倒れ、対処したNTTとともに倒木を除去し、数時間で通行が可能になった。

 海匝土木事務所管内では匝瑳市吉田地区を走る県道八日市場佐倉線内で、倒れかかった木を確認。今後の支障とならないよう、八日市場支部の鈴久建設(匝瑳市)が倒木を撤去した。

 県建設業協会は、県と「地震・風水害・その他の災害応急対策に関する業務基本協定」を締結。土木事務所からの要請により、各支部は発災直後から県が管理する道路や河川などの公共土木施設の被害状況の調査、道路の通行を規制する看板設置などの安全措置、道路の応急工事を実施し、二次災害の防止や迅速な災害復旧に貢献している。

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