改善センターを耐震化 建築物耐震改修計画案 住宅548戸が要対策 益子町
[2021/09/29 栃木版]
益子町は29日までに、計画期間を2021~25年度とする町建築物耐震改修促進計画(3期計画)案を明らかにした。それによると、25年度には町内の住宅の耐震化率を95%、多数が利用する建築物や防災上重要な町有建築物を100%にする目標を設定。目標達成に向けては、住宅は548戸の耐震化が必要となる。防災上重要な町有建築物については、町改善センターの耐震化を目指す。
町第3期建築物耐震改修促進計画の対象建築物は、住宅、多数の者が利用する建築物、防災上重要な町有建築物(町役場や学校施設などの防災拠点避難施設など)となっている。
住宅の20年度末の耐震化率は84%で、全戸数7870戸に対し、耐震性がない住宅は1250棟。25年度末までに耐震化率を95%とすることから、目標達成には548戸の耐震化が必要となる。
多数の者が利用する建築物について、20年度末の耐震化率は92%。このうち学校、病院・診療所、社会福祉施設、賃貸共同住宅は100%で、その他施設が82%。計画では、25年度末までにこれをおおむね解消するとしている。25年度には多数の者が利用する建築物が26棟になるとしており、このうち2棟の耐震化を推進する。
防災上重要な町有建築物について、20年度末の耐震化率は97%。対象の31棟のうち、耐震性のない建築物は1棟となっている。25年度に100%とするとために、残り1棟の耐震化に取り組む。残る1棟は町改善センター(前沢490-1)で、1978年建設・RC造一部PCおよびS造の施設。平屋一部2階建てで、延べ床1624平方mとなっている。
町の耐震改修の促進に向けては、町民への普及啓発、耐震アドバイザーの活用、戸別訪問によるローラー作戦、各種制度の周知、工事現場等を活用した広報、耐震診断・補強計画策定・耐震改修に対する助成などを実施する。耐震シェルターなどの設置や、耐震性が不十分な老朽化した住宅の建て替えを促進するための施策、避難所などに通じる道路沿いにある危険ブロック塀や組積造の塀の除却への助成や新たな支援策なども検討するという。
県防災計画では、第1次および第2次緊急輸送道路の沿道建築物について、一定の高さ以上の住宅や建築物の所有者に対し、耐震化の必要性を周知するとしている。町内では、第1次緊急輸送道路が国道123号、主要地方道宇都宮笠間線、町北部の国道123号および294号。第1次緊急輸送道路が、真岡市との行政境から国道121号との交差点までの、国道294号となっている。
このほか、地震被害の軽減策として外壁や窓ガラスの落下、天井脱落やエレベーターの安全対策で危険性の周知や改善指導を実施するほか、住宅や建築物の点検の必要性の周知も行っていく。