排水機場改築に35億円 事業期間は23~28年度想定 東松島の鞍坪地区(県北部振興)
[2021/9/25 宮城版]
鞍坪排水機場は内水排除を目的に、一級河川鳴瀬川の支流である鞍坪川の流域に建てられた。すでに60年以上が経過している。既存施設は口径1000mmのエンジンポンプが3台備わっており、排水能力が毎秒7t。建屋は木造で、吸水槽の上に設けられている。
計画では全面更新するため、既存のポンプ場を稼働させながら、敷地内に新たな排水ポンプ場を建てる。排水能力は変えない予定だが、敷地が狭いためポンプの台数を2台にする可能性がある。建屋はRC造で造り替え、延べ床面積に200平方mを確保する。隣にある国の鞍坪排水機場と同じ高さになる見込み。
県北部地方振興事務所は、鞍坪排水機場の改築に向け、基本計画作成業務を仙台土木設計(仙台市青葉区)に委託。本年度は同社に排水解析業務を委託している。
鞍坪地区の事業計画書作成業務は、9日に県土地改良事業団体連合会と見積もり合わせし、815万円で随意契約した。予定価格は860万3000円。履行期間は2021年3月25日まで。
来年度は国のヒアリングを受けて事業計画を審査してもらう。23年度に事業化されれば、実施設計業務を委託する。工事は24年度ごろから段階的に進める。最初に吐水槽や吸水槽などの土木構造物を整備し、次に建屋、ポンプ、除塵設備、場内整備といった順で施工していく予定。
鞍坪排水機場からは鞍坪川に排水している。主要な受益地は美里町で、美里東部土地改良区が施設を管理している。同じ敷地内には国交省が所管する同名の排水機場があり、こちらは排水能力が毎秒20tで、2016年度に機械設備を更新済み。