若鈴コンサルで排水路設計 名取川地区で2路線更新(阿武隈土地改良)

[2021/9/23 宮城版]
 農林水産省阿武隈土地改良調査管理事務所は、名取川地区の境堀排水路他測量設計業務を若鈴コンサルタンツ(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。業務委託に当たっては13日に一般競争入札を開札し、総合評価を経て同社が2915万円で落札。予定価格は3556万円、調査基準価格は2832万5000円だった。同社には農業用排水路2路線の更新に向けた測量設計をまとめてもらう。履行期間は2022年3月15日まで。

 更新するのは境堀幹線排水路と葉の木堀幹線排水路。それぞれには小ゲートが備わっている。大震災津波を受けた一部区間は災害復旧事業で新しくしたが、ほとんどの区間は老朽化している。

 境堀幹線排水路は、名取市小塚原蟹穴~下増田寺野地区に設けられている。RCの矢板護岸で、延長が1895m、幅が3.5~5m、高さが約1.6m。

 葉の木堀幹線排水路は、岩沼市下野郷潮入~下野郷新田地区に設けられている。コンクリート積みと張りブロックの排水路で、延長が2182m、幅が7~9m、高さが90cm。

 境堀は既存の矢板護岸を撤去し、自立式の矢板護岸に整備し直す予定。葉の木堀は既存のコンクリート積みやブロックなどが中抜けして空洞化しているため、打ち直すことを想定している。

 測量設計業務は、国営造成施設緊急整備対策調査として委託する。両排水路の更新に向けては別途、「名取川地区事業計画検討業務」を一般競争入札で委託する。こちらは16日付で入札手続きを公告しており、10月4日まで参加申請書、同20~25日に技術提案書を受け付け、11月15日に開札する。

 事業計画検討の業務内容は、土地所有状況の把握、排水計画の精査、概略効果の算定、土地改良事業計画概要(案)の作成など。履行期間は2022年3月15日まで。入札の参加資格は、東北農政局から測量・建設コンサルタント等がA等級で建設コンサルタントの資格認定を受けていることなど。

 名取川地区は、1967年~85年の国営名取川土地改良事業で、排水機場4カ所、頭首工1カ所、防潮樋門1カ所、用水路6路線、排水路9路線などが整備された。受益面積は4450ha。

 排水機場や防潮樋門は大震災津波で被害を受けたため、全て災害復旧事業で直した。名取川頭首工は国営施設応急対策事業で大規模改修を進めており、22年度の完了を予定。災害復旧の対象外となった排水路や用水路は老朽化している。

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