総合医療センターに新病棟 東松戸病院の廃止で(松戸市)

廃止する方針の東松戸病院

廃止する方針の東松戸病院

[2021/9/24 千葉版]
 松戸市は9月22日、病院事業再編計画案を明らかにした。老朽化した高塚新田地区の東松戸病院を2024年3月末をめどに廃止するとともに、附帯事業の介護老人保健施設「梨香苑」をあわせて閉鎖。同病院が担ってきた「緩和ケア」機能を千駄堀地区の総合医療センターに移管するため、あらたに別棟を新設する方針を示している。そのほか、同病院が担ってきた医療機能は、民間の医療機関の活用によって対応、回復期以降の医療は新規参入を促すことで確保。跡地は売却を検討するとしている。

 同計画案では、東松戸病院を廃止する方針のほか▽同病院が担ってきた医療機能は民間の医療機関の活用によって対応▽民間の医療機関の参入が見込めない機能は総合医療センターに移管▽梨香苑は閉鎖──の4つを定めている。

 また、廃止の理由として、老朽化や耐震性の不足で事業継続が困難であり、約55億円と見込まれる建替費用が財政を圧迫すること、一定の民間参入が見込まれるため民間に委ねた方が有効であることなど5つを挙げている。

 廃止後の方針を示す再編アクションプランでは、同病院が担ってきた「一般病棟」、リハビリ中心で自宅退院を目指す「回復期リハビリテーション病棟」、自宅退院を前提とした「地域包括ケア病棟」、終末期を看取る「緩和ケア病棟」の4機能のうち、緩和ケア病棟は、東松戸病院が市内で唯一20床を確保してきた経過もあるため、総合医療センターに移管し、20床程度を確保する。

 緩和ケア病棟に必要な施設基準を満たすためには、現在の総合医療センターの病室を改造することは困難なため、あらたに別棟を建設する。規模は、患者1人につき病室床面積8平方m以上、病棟床面積30平方m以上を見込む。

 また、同病院が担ってきた健診事業(人間ドック)についても、総合医療センターに移管。あらたに「仮称・予防医療センター」を整備する。

 整備スケジュールについては、21年度に新棟建設の具体的検討に着手。22~23年度に新棟の建設、仮称・予防医療センターの開設、運用準備を進める。

 東松戸病院は1993年の設立。敷地面積は3万9155平方m。構造・規模はRC造4階建て延べ1万4571平方m。附帯施設として介護老人保健施設の梨香苑(50床)が同じ建物内にある。

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