県議会に29議案提出 交通安全対策を強化(熊谷知事)
[2021/9/16 千葉版]
9月定例県議会が15日に開会し、熊谷俊人知事は補正予算案など29議案を提出した。一般会計の予算規模は726億9500万円となり、熊谷知事は新型コロナウイルス感染症対策に重点配分するほか、緊急的な交通安全対策を強化していく考えを示した。会期は10月12日まで。
熊谷知事は、八街市の通学路で発生した交通事故を踏まえ、交通安全対策を一層強化することを表明。通学路の緊急点検を踏まえ、ガードレールの設置や信号機のLED化など安全対策を実施するほか、国による追加対策がまとまり次第、さらなる補正予算の編成を検討していく。
道路や港湾施設、都市公園の屋外照明灯について、維持管理費を抑制しつつ、二酸化炭素排出量を削減するため、リース方式により一括してLED化を推進する。道路ネットワークの整備では、国の交付金の内示増などを踏まえ、前倒して実施するとともに、被災した道路や河川などの公共土木施設の復旧を進めていく。
新たに債務負担を設定した事業の限度額をみると、産業用地確保に係る基礎調査事業(21~22年度)が1200万円、道路照明灯など屋外灯のLED化導入事業(21~32年度)が41億円、国道126号拡幅事業(21~23年度)が13億円、旧千城台教職員住宅解体事業(21~22年度)が1億8700万円、館山警察署庁舎整備事業(21~22年度)が4500万円など。
予算外議案では、21年度一般国道126号山武東総道路二期整備国道道路改築事業(その2)の施行に関する委託について、契約締結議案を提出。契約相手は県道路公社、契約金額は14億4400万円となっている。
県議会で、熊谷知事は当面の諸問題も報告した。2019年の台風や豪雨からの復旧・復興は、着実に進んでおり、年度内に、ほぼ全ての主要事業が完了する見通しを示した。ライフライン関係施設の停電や治水の対策など、中長期的に実施する事業については、将来起こりうる巨大災害に備え、できる限り早期に完了させる必要があるとした。
新たな総合計画の進ちょく状況については、基本構想と実施計画の2編構成とし、基本理念として「千葉の未来を切り開く」と題し、「“まち”“海・緑”“ひと”がきらめく千葉の実現」を掲げる。基本理念の実現に向けて、「危機管理」「産業・社会資本」「医療・福祉」など6つの分野で基本目標を設定して体系化し、年度内の策定を目指す方針を示した。