業者の等級基準を設定 一般競争入札は5000万円以上 発注標準も明確化(宮城県山元町)

[2021/9/11 宮城版]
 山元町は、工事発注の基準となる「建設業者の等級基準」と「発注標準」を定めた。入札の競争性・透明性を一層確保するための措置で、等級は主に経営事項審査の総合評点を基準にS・A・Bに区分する。発注標準は、等級ごとに入札に参加できる工事を「設計金額の範囲」で示した。加えて一般競争入札の対象工事について、設計額が5000万円以上とする基準を新たに設けている。10日以降に公告・通知する競争入札から適用する。

 これまで発注の際には、工事規模や難易度を踏まえ、指名委員会の意見や内部的な基準に沿って競争入札の参加者を決めていた。今回、他自治体の動向も視野に、基準を明確にすることで入札の競争性と透明性を一層担保する考え。「競争入札参加者の資格および指名競争入札参加者の指名に関する基準」として定めた。

 等級の格付け基準と発注標準は別表の通り。

 等級は、入札参加登録した県内・県外業者についてこの基準により格付けする。区分は経審の総合評定点を基本に、設備工事やその他工事以外は1級技術者数を要件に設定する。なお、土木一式工事、水道施設工事、建築一式工事、とび・土工・コンクリート工事または解体工事の「A等級」は、総合評点と技術者条件を両方満たした場合に格付けされるなどの諸条件もある。

 発注標準は、入札に参加させる業者を選ぶ際の基準となり、町では設計金額の範囲を基本とする。発注者が独自に評価する主観的事項(主観点)は加味されない。ただし、特段必要と認められる場合には、該当等級以外の入札に参加させることができる。

 今回、競争入札の振り分けとして、基準が未設定だった一般競争の対象工事について設計金額が5000万円以上と設定。今後は、指名競争についても発注標準をもとに各等級に属する有資格者を選ぶことになる。ただし、災害応急復旧や技術的に特殊な工事などは、施工能力・実績、受注時期等を勘案して指名するほか、町内に本店を置く企業が施工可能な工事については優先的に指名し、町内企業の受注機会を確保する。

■格付け(等級)区分と発注標準
発注工事の種類 等級 要件 発注標準
大分類 小分類 経営事項審査の総合評点 一級
技術者数
設計金額の範囲
(税込み)
土木 土木一式、
水道施設
700点以上 1人以上 1000万円以上
699点以下 1000万円未満
プレストレスト
コンクリート構造物
800点以上 11人以上 3000万円以上
799点以下 1人以上 3000万円未満
建築 建築一式 700点以上 3人以上 5000万円以上
699点以下 5000万円未満
鋼構造物、
しゅんせつ
鋼構造物、
しゅんせつ
950点以上 5000万円以上
850点以上 10人以上
700点以上 3人以上 500万円以上~
5000万円未満
699点以下 500万円未満
鋼橋上部工 800点以上 10人以上 5000万円以上
799点以下 1人以上 5000万円未満
とび・土工・
コンクリート、解体
とび・土工・
コンクリート
700点以上 3人以上 1000万円以上
699点以下 1000万円未満
法面 800点以上 3人以上 1000万円以上
799点以下 1000万円未満
解体 700点以上 3人以上 5000万円以上
699点以下 5000万円未満
舗装 舗装 950点以上 3000万円以上
850点以上 10人以上
700点以上 3人以上 500万円以上~
3000万円未満
699点以下 500万円未満
設備 電気、管、機械器具設置、電気通信 850点以上 6000万円以上
650点以上 3000万円以上~
6000万円未満
649点以下 3000万円未満
その他 大工、左官、石、屋根タイル・れんが・ブロック、鉄筋、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、熱絶縁、造園、さく井、建具、消防施設、清掃施設 650点以上 500万円以上
649点以下 500万円未満

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