23haで市場調査 二重川地区の土地活用(白井市)
[2021/9/10 千葉版]
白井市は、二重川地区の土地活用に関するサウンディング型市場調査に関する実施要領を公表した。隣接する船橋市との間などを流れる二重川の白井市域となる約23haを対象とするもので、11月2日までエントリーシートを受け付け、同月15日から2022年1月14日までサウンディング(対話)の実施、同年2月の実施結果概要の公表を予定している。
この調査は、「農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律」により、滞在・体験のための受入施設・農林業体験施設などを整備し、農業体験による滞在促進による市外からの来訪者を引き込み、地域経済活動の発展・雇用の確保を図るとともに、市全体を活性化させるための検討の一環。二重川地区の市場性や、事業成立の可否について判定するために、さまざまな可能性を調査・把握するためのもの。
また同調査では、事業者からの「土地利用の可能性」を調査し、地域状況や行政課題を提示して個別に対話することで、「地域ポテンシャルの把握」と「土地活用のアイデア」「実現可能な事業スキーム」などを明らかにし、当該地区の活性化に民間活力や知見を最大限に活かせるよう情報収集することを目的にしている。
サウンディングの対象者となるのは、二重川地区活性化事業に実施主体として参加あるいは実施主体をサポートする意向のある法人または法人のグループとした。対話項目は▽土地利活用のアイデアや可能性(事業内容・施設規模・内容など、市の要望事項への対応の可能性)▽事業スキーム(事業主体・事業方式・スケジュールなど、事業費・土地利用条件)▽事業実施にあたり市に期待する支援や配慮を求める事項──とした。
二重川地区は、北総鉄道・白井駅の南約700mに位置する市街化調整区域で、一部が新住宅市街地開発事業により開発された市街化区域に隣接するとともに、東京電力新京葉変電所からも約700mに位置し、電力インフラに恵まれている。また、国道464号や国道16号等の広域幹線道路へのアクセスが容易で、今後は白井ハーフインターチェンジの整備と小室ハーフインターチェンジのフルインター化が決定していることから、交通ネットワークの向上が予定されている立地特性となっている。
対象となる地区は、復241-1他576筆となる約23ha(内同意面積19.7ha)の市街化調整区域(地目:畑、他)。現況は、主に農地(田やナシ園など)として利用されており、大部分が農業振興地域農用地区域となっている。当該土地は民有地のため、地権者間で市まちづくり条例に基づく「二重川周辺地区まちづくり協議会」が設立されており、複数の土地に一括して利用権などを設定するなど一体的な土地利用を検討している。
なお同検討の上位計画には、市の第5次総合計画(16年~25年)における戦略の柱「かかわれる農」のまちづくりや、実施計画における「市民農園・体験型農園開設支援事業」が位置付けられている。また、市案による土地利用の方向性は駅周辺に立地しているポテンシャルを活かした観光農園や農泊施設、農福連携などとしている。
二重川は、全長6.41km(幅員14~16.2m)の規模を持つ利根川水系の一級河川で、起点となる船橋市咲が丘地区から印旛放水路に流入している。近隣住民らの散歩コースなどとして親しまれるとともに、川にはコイやカメ、その周辺にはカワセミなども生息しているなど、豊かな自然を象徴する存在となっているという。
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