[2021/9/11　千葉版]
　千葉市病院局は10日、新病院整備事業の進ちょく状況を明らかにした。幕張新都心若葉住宅地区に333床程度を備える新病院を建設する計画。免震構造を採用し、施設規模は延べ3万3000平方ｍを想定。工事費は約220億円を概算している。初めてECI方式を導入する方針で、9月補正予算案では実施設計費などを計上している。

　10日の市議会保健消防委員会で市病院局が報告した。新病院の建設予定地は美浜区若葉3丁目1番26に位置する幕張新都心若葉住宅地区の小学校・公益施設用地のうち約3万5000平方ｍを活用する。

　施設の構造・規模はRC造一部S造5階建て延べ3万3000平方ｍを想定。高さは31m以下とし、屋上にヘリポートや機械室を設置する。

　院内保育所など付属棟整備のほか、地盤改良やかさ上げなどの造成、外構・植栽、非常用発電機の設置、井戸水の利用などを計画している。

　本体や外構、造成などの概算工事費は約220億円。用地費や医療機器などの購入費、移転経費などを含めた総事業費については精査中だという。

　整備手法は初めてECI方式を導入する。ECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)は、設計段階から施工予定者を選定し、実施設計業務への技術協力を行い、仕様など決定後に施工予定者と工事契約を締結する方式。

　施工予定者(技術協力者)については、公募型プロポーザル方式で、コスト縮減や工事短縮、提案工事などに関する技術提案を公募し、学識経験者を含む選定委員会の審査を踏まえて選定する予定だ。

　病院事業会計補正予算案で計上した債務負担や建設改良費繰越を含めた事業費をみると、実施設計(21～22年度)が4億3800万円、実施設計管理支援(21～22年度)が3800万円、技術協力業務(22年度)が700万円、開院総合支援(21～25年度)が1億2000万円。

　委員会では、整備手法について質問が集中した。市病院局は、従来方式、DB方式、ECI方式を比較検討した結果、総合的にECI方式の採用を決めたことや、実施設計の管理支援業務などを委託して関係者間の調整を進めていく方針を示した。

　20年度に「千葉市立病院再整備基本構想」を踏まえ、新病院の整備に向けて、基本計画策定支援・基本設計業務を日建設計・システム環境研究所共同事業体に委託。病床数や診療科、敷地の規模、施設の配置、建物の規模、各部門の配置など、新病院の基本的な機能や施設要件の検討を進めている。

　月内に基本計画や基本設計をとりまとめ、その成果を踏まえ、早期に実施設計を委託したい考え。22年度から造成工事を進め、23年度の本体着工、25年度のできるかぎり早期の開院を目指している。

新病院の整備スケジュール