防波堤や埠頭整備 名洗港で港湾計画改訂(県港湾課)
[2021/9/8 千葉版]
県は、洋上風力発電事業のメンテナンス拠点となる名洗港(銚子市)について、港湾計画の改訂に乗り出す。老朽化対策も進め、防波堤や埠頭用地の整備のほか、港内で大規模な浚渫を計画している。県港湾課は、12月に港湾計画の素案をとりまとめ、年度内にも港湾計画を改訂する方針を示している。
7日に開かれた県地方港湾審議会(会長・渡邉豊東京海洋大学大学院教授)で、県港湾課が名洗港の港湾計画改訂に向け、現況特性や社会情勢の変化、地域・利用者ニーズ、将来需要の見通し、課題などを報告した。
名洗港は銚子半島南側の銚子市域南東端に位置する地方港湾で、避難港に指定されている。岸壁や防波堤などの主要施設は40年以上経過している施設が多く、計画的な補修や更新が必要な状況だ。
2020年7月に銚子市の沖合海域が再エネ海域利用法に基づく促進区域に指定され、事業者の選定が進められている。促進区域の最も近くに位置する名洗港は、洋上風力発電事業の建設補助港や維持管理港としての利活用が期待されている。このようなことを踏まえ、県は港湾計画の改訂を進めていく方針だ。
港湾施設の空間利用ゾーニングをみると、一般貨物や洋上風力発電関連で利用するエリアは「物流・エネルギー関連ゾーン」と設定。そのほかのエリアは、現在の陸域・水域の利用状況を踏まえ、「緑地レクリエーションゾーン」「都市機能ゾーン」「生産ゾーン」「防災ゾーン」とする。
施設整備の方向性をみると、静穏性の確保や漂砂対策に向け、新たに名洗防波堤(5)と港内防波堤を整備するほか、防波堤透過区間で不透過構造に改良する方針だ。
洋上風力発電や一般貨物需要に対応するため、岸壁や埠頭用地を新たに整備。埋没した港内では大規模は浚渫を実施する。浚渫土の受け入れ先として、新たな埠頭用地を土砂処分用地として活用する方向で検討している。
名洗港の港湾計画検討業務は三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)が担当している。