優先対策に13施設 適正配置・長寿命化計画(宮城県 石巻市の社会教育・体育施設)

[2021/9/4 宮城版]
写真渡波公民館1 石巻市は2日、市議会全員協議会に「市社会教育・体育施設等適正配置および長寿命化計画案」を示した。計画期間は2021~55年度の35年間。このうち、30年度までの10年間(第1期)では、長寿命化対策を優先する施設として13施設を選んだ。渡波公民館など3施設は第1期に大規模改修を行う予定。同計画はパブリックコメントを経て年内の策定を目指す。

 同計画は、2016年3月に定めた市公共施設等総合管理計画の方針に基づき、限られた財源で維持管理・修繕・更新を適切に実施するとともに、維持管理費用の低減に努めるため、社会教育施設と社会体育施設に絞った個別計画として策定する。

 計画対象の施設は、社会教育施設が24施設、社会体育施設が27施設で計51施設。カテゴリー分類別では、社会教育施設が41施設、社会体育施設が58施設となる。

 適正配置に関しては、利用者へのアンケート結果や公式試合数の実績、人口の将来推計などを踏まえた上で、施設ごとの適正配置の方針を定めた。具体的には、維持継続、保護・保全、機能集約、廃止検討という分類に施設を整理した。

 機能集約の検討対象となったのは、総合体育館・山下屋内運動場、セイホクパーク石巻のテニスコート・稲井テニスコート、河北総合センターの体育館・飯野体育研修センター、多目的ふれあい交流施設遊楽館の体育館・河南体育センター、桃生農業者トレーニングセンター・桃生勤労青少年ホームなど。

 廃止の検討対象は、稲井テニスコート、飯野体育研修センター、桃生スポーツ施設のテニスコートや野外活動センター、島の楽校の旧木造校舎や体育館など。

 市は2055年度までに公共施設の総延べ床面積を20%削減する方針で、社会教育・社会体育施設は計約8万平方mのうち、約1万6000平方mの削減が目標となっている。ただし、人口推計などの前提条件に大幅な変更が生じた場合は、必要に応じて削減目標を見直す。

 長寿命化計画では、改築周期80年で長寿命化を検討することにした。この場合、市の試算だと維持更新費用は40年間で計108億8400万円となり、改築60年周期の197億9600万円より低くなる。大規模修繕は10~15年、大規模改修は20年、長寿命化改修は30~40年の周期とする。部分修繕は必要に応じて随時行う。

 第1期で特に優先的に対策を講じる施設は▽渡波公民館▽図書館▽総合体育館▽セイホクパーク石巻の野球場とフットボール場▽河北総合センター▽追波川河川運動公園の管理棟▽遊楽館▽河南中央公園の野球場▽桃生公民館の舞台設備▽桃生農業者トレーニングセンター▽桃生武道館▽にっこりサンパークの野球場▽牡鹿交流センター──を選んだ。

 このうち、渡波公民館と桃生農業者トレーニングセンター、牡鹿交流センターのプールは大規模改修、河北総合センターの文化ホールと体育館は大規模修繕、桃生公民館は舞台装置の改修で、それ以外は部分修繕する計画になっている。

 なお、具体的な工事の内容や時期などは、今後に総合計画の実施計画に盛り込んでいく。

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