道路詳細設計に着手 矢板大田原BP 箒川は5径間で226m 宇都宮国道
[2021/09/03 栃木版]
国交省宇都宮国道事務所は、国道4号矢板大田原バイパス7.9kmに整備する3カ所の橋梁の予備設計の成果をまとめた。JR東北本線跨線橋は斜めに横断し2径間で橋長175m、江川渡河部は単径間の42m、箒川渡河部は5径間で226m規模を想定。3橋梁とも杭基礎で、耐力照査基数はJRが3基、江川を2基、箒川は6基とした。同事務所によると、本年度は道路詳細設計を行い、交差点や一般構造物の函渠などの諸元をまとめる。
4号矢板大田原バイパスは、南側となる矢板市針生地内の土屋交差点付近から北西側に分岐し、現道と一般県道関谷上石上線が分岐する上石上交差点まで5.3kmをバイパスで、上石上交差点から那須塩原市三区町地内の二区交差点まで2.6kmを現道拡幅で計画する。
同バイパスの南側は用地取得に着手した矢板拡幅、北側には工事を推進している西那須野道路があり、これらの事業を一体的に進めて県北地域における4号の4車線化整備を促進していく。
バイパスのルートは、一級河川箒川右岸の農地と丘陵部との境界付近を
北上し、上石上交差点に合流する最短ルートで一級河川箒川を渡河する。バイパス区間の鉄道立体部は高架、江川と箒川には橋梁架設、丘陵部は切り土、圃場など農地は盛り土構造で計画した。
既設の市道などとの交差点は平面交差が原則だが、丘陵地の比高を利用して一部立体を想定しているほか、バイパス整備により分断する圃場の耕作道路は盛り土でボックス工を施工し、立体化による通行を確保する計画としている。全体事業費は400億円を見込んでいる。
幅員は一般部が22mで、交差点部は付加車線分含め25m。幅員構成は車道3.5m×4車線、両側の歩道が2.5mとし、車道と歩道間の路肩は0.75m、中央分離帯は1.5mで計画した。
ルート選定に当たっては、天然記念物や学校などのコントロールポイントを極力回避するとともに、圃場整備地域の区画にも配慮。ルートと幅員は18年10月の県都市計画審議会に諮問して了承され、年末には都市計画決定し告示している。
19年度に新規事業化となって路線測量に着手し、20年度には路線測量と並行して地質調査や道路予備設計を実施した。現在は橋梁予備設計を進めており、このほど道路詳細設計に着手している。橋梁予備設計は三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)が担当し、道路詳細設計はセントラルコンサルタント(東京都中央区)が落札した。
矢板大田原バイパスの事業化に向けて、国交省は16年5月に社会資本整備審議会道路分科会関東地方小委員会を開き、矢板市~那須塩原市間の4号について計画段階評価を実施。課題とされる▽混雑と野崎橋が寸断した場合に広域な迂回が生じること▽沿道環境が悪いこと▽交通事故への危惧▽物流の効率が悪いこと▽救急医療施設への速達性に劣ること-などについて、改善が図れるバイパス案に決めている。